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英国、米国、フランスなどで
相次ぐ反グローバル化の政治潮流
グローバル化(グローバリゼーション)について語られ始めてから久しい。国対国の国際化とは異なり、国境を越え地球規模でヒト、モノ、カネが飛躍的に拡大することを意味するグローバル化は、政治史的には東西の冷戦構造が終焉をとげた1991年のソ連崩壊をメルクマールとしている。世界銀行の世界開発報告書はこう記していた。「2次にわたる世界大戦間に資本、労働、財の流れが制限され世界経済は分断化されたが、冷戦が終わった1990年以降にグローバリゼーションが加速し、こうした制限が緩和され世界経済は統合化へ向かった」(2009年版)。
そして、昨年から今年にかけてイギリスのEU離脱、アメリカ第一を唱えるトランプ政権の誕生、そしてフランス大統領選において反EU、反移民を唱える極右政党「国民戦線」のルペン候補が5月7日の決選投票に進出するなど、反グローバル化の政治潮流が鮮明になりつつある。そこで、これまでのグローバル化の流れをデータ的に振り返ってみることにする。