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海外ビジネス遭難防止ガイド

グローバル競争は「知恵抜き」競争

白藤 香 [SPCコンサルティング株式会社(SPCCTOKYO) Labo所長]
【第6回(最終回)】 2011年6月9日
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 1990年頃から海外の製造業の現場では、日本企業からの「知恵抜き」が盛んに行われてきました。

 それから20年が経った現在、日本企業はグローバルでの激しい市場競争に身をさらされています。かつて世界のトップの座にいた電機業界は青息吐息で、自動車業界も海外市場で告発され、アジア勢から猛追されています。

 これは自由競争の中でそうなったのではなくて、海外から仕掛けられてきた「知恵抜き」の結果だったのです。

 日本はグローバル化の加速によって、海外からあの手この手で戦略攻撃を受けてきたのです。そのことに未だに気づいていない日本人が多すぎます。

 なぜ「知恵を抜いてやろう」という相手の目論見どおりになるのか、日本人の脇の甘さ、相手の狡猾さに気づかない警戒心のなさについて現場事例を交えながら、解説をしていきます。

「知恵抜き」はOEMの失敗

■OEMが委託先を成長させた

 1990年頃から日本企業は製造現場を海外に移転させて、自社工場だけでなく、OEMとして海外企業にも製造委託してきました。当時の日本メーカーは世界のトップに位置して、日本のOEMはアジアで大歓迎されていたほどです。

 現地の委託先でプライベートな話をすると、さまざま話題が出てきます。

 以前来たときに、「コーヒーをおねがいします」と頼むと、「この国では女性が男性にそんなことを頼むものではありません!」と真っ赤な顔をして怒鳴られたという話を紹介し、「日本とは似て非なるものがたくさんあるんですね」と異文化論で盛り上がっていました。

 「われわれは、日本と仕事をすると、勉強になることが多いんですよ。OEMをやるとどんどん成長できます」

 「そうなんですか」

 「製造ラインで、技術者からここが違うと指導を受けていると、そうかこういうふうにやるとよくなるのか、どんどんいろいろなことがわかるようになるんです。今度はそれを自分たちの製品に生かしてすぐつくるんです」

 「……」

 OEM先との契約はどうなっているんだ!と思いながらも、日本人の「お人よし」を痛感させられました。

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白藤 香 [SPCコンサルティング株式会社(SPCCTOKYO) Labo所長]

学習院大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得満期退学(インセンティブ理論、組織の経済学)。ソニー、ルーセントなどの日米欧上場企業の本社・現地法人に勤務(IT通信電機、医療機器の分野)。その間、日本・米国(西部、東部)・台湾でマネジメント経験。2001年独立開業。大手シンクタンクや戦略コンサルタント会社と契約し、首都圏企業や官庁の複数プロジェクトを経験。 2005年法人化しLABOを設立。日本企業海外法人の勤務経験がある現地マネジメント&経営者インタビュー、各種“人事組織”調査、人材開発に関する効果測定分析などを企画実施。調査分析結果に基づき、SPCCTOKYO ブランドで、アセスメント、“専門職”研修、コンテンツ教材開発など人材開発企画、新人事制度設計研究や組織コンサルテーション&戦略企画立案などを行う。また調査研究の一部は著作物として発表。リーマンショック以降は、国内海外の企業や行政とプロジェクト契約し、新市場戦略や人事戦略を構築。著書に、『海外勤務を命じられたら読む本-グローバルマネジメント入門』(中経出版)がある。


海外ビジネス遭難防止ガイド

ソニー、ルーセントなどの日米欧上場企業の本社や現地法人、米国の西部・東部や台湾などでのマネジメントのほか、世界のさまざまな地域の多様な人々と仕事をしてきた経験から、グローバルなマーケットで収益性を高める秘訣を長年考察しています。日本企業の海外派遣は、大手企業の辞令組(マネジメント、主に総務・人事)とスーツケース組(現場)の2つにわかれますが、90年代は日本企業の海外法人立ち上げに、スーツケースひとつで参加、苦労の末、いろいろなノウハウを習得してきました。本連載では、日本人が苦手はグローバル・ビジネスでのノウハウについて、事例をもとに紹介していきます。日本企業にとってグローバル市場の開拓は急務です。「今どうしたらいいかわからない」と困っている企業やビジネスパーソンに向けて、差し迫ったビジネス課題がスムーズに進むよう、すぐに現場で役立つ情報をお届けしていきます。

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