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農業問題と震災が“言い訳”
TPP先送り通商政策の迷走

週刊ダイヤモンド編集部
2011年6月13日
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菅直人首相が「平成の開国」だと意気込んだ環太平洋経済連携協定(TPP)への参加の可否決断が先送りされた。日本が大震災の復旧・復興に忙殺される間も、世界各国の通商交渉は着々と進展している。首相退陣、大連立がささやかれ、政局の不透明感が増すなかで、日本の通商政策は大きな岐路を迎えている。

5月28日、菅首相はベルギーのブリュッセルで、ファンロンパイEU大統領、バローゾ欧州委員長と首脳協議を行い、EPAの予備交渉合意にこぎ着けた
Photo:REUTERS/AFLO

 「菅首相退陣が濃厚で、9月の日米首脳会談に誰が出席するのかわからない。この会談で環太平洋経済連携協定(TPP)の参加表明をするシナリオが狂った──」

 ある外務省幹部は、政治的空白の発生によって通商政策の軸足が定まらないことを懸念する。

 だが、菅首相の下でも、政治的決断は遅れつつあった。当初、政府は米国が主導するTPPへの参加の可否を6月末までに固める方針だったが、5月17日、東日本大震災を踏まえ経済政策の優先順位を見直す「政策推進指針」が閣議決定された。それには、農業者・漁業者の心情、産業空洞化の懸念等に配慮し、「判断時期については総合的に検討する」と表現されるにとどまった。この時点で、結論が先送りされたのだ。

 一方で、二つの貿易自由化交渉が前進した。5月22日に東京で開催された日中韓首脳会談では、日中韓自由貿易協定(FTA)に向けての地ならし作業である産官学共同研究を急がせ、年内に終了させることにした。

 また、5月28日、菅首相はベルギーのブリュッセルで、ファンロンパイ欧州連合(EU)大統領、バローゾ欧州委員長と首脳協議を行い、経済連携協定(EPA)の予備交渉へ入ることに合意した。 

 米国、欧州、中国という三つの巨大経済圏の通商政策が、同時に節目を迎えている。ここで、FTA、EPA、TPPについて、おさらいしておこう。

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