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最新の科学でわかった! 最強の24時間
【第7回】 2017年5月18日
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長沼敬憲

夜更かしが絶対に悪いとは言えない理由

私たちの体の中には、「体内時計」と呼ばれる時間が備わっています。
この体内時計を動かす源にあるのが「時計遺伝子」(体内時計をつかさどる遺伝子群)で、私たち人間の体はこの遺伝子によって、目覚める、お腹が減る、眠くなる、などといった生きるための基本的なリズムを刻んでいます。人体の活動の多くは時計遺伝子によって支配されているといってもいいかもしれません。
この時計遺伝子の働きに基づいた時間医学、時間栄養学といった最新の科学的知見をベースにして、体内時計に従って日々、常に快適で効率よく過ごす秘訣を『最新の科学でわかった! 最強の24時間』(ダイヤモンド社)より抜粋して紹介します。

夜型、不規則な人でも
リズムを保つ秘訣がある

 世の中には、体のリズムなど気にかけず好き勝手に生きているのに、いつも元気な人がいるでしょう。
 こうした人の場合、健康診断の数値が仮に基準値に収まっていたとしても、体の中では時差ボケ(=体内時計のズレ)が確実に起きています。ただ、それが体に悪いことであるとは必ずしもいえません。不規則なのに元気であるということは、「時差ボケに適応している」ともいえるからです。

 時間栄養学の研究者である柴田重信氏(早稲田大学先進理工学研究科教授)は、
「男性のヒゲを採取して時計遺伝子の活動量を1日ごとに調べていくと、朝型の生活をしている人はいつも似ていますが、夜型の人は月曜と金曜ではかなり違っています。不規則な生活は体に影響を与えていることになりますから、時差ボケに適応できている人も、加齢とともに体調を崩してしまう可能性はあるでしょう」
 と言います。

 もちろん個人差はありますから、なかにはうまく適応したまま、ずっと元気でいられる人もいるかもしれません。
柴田氏によると、同じ不規則な生活であっても、問題になるのは「日によって起床と就寝がバラバラなケース」であるといいます。

 「朝の日差しでなくても、光を浴びることで時計遺伝子はリセットされますから、夜更かしや朝寝坊が絶対に悪いとまではいえません。人間は昼行性の動物であるという大原則はありますが、夜中の2時に寝て朝10時に起きる生活でも、その習慣が規則的に続いていけば、体内時計のリズムは刻まれます。こうしたリズムが崩れること自体に問題があるのです」(柴田氏)

 シフトワークの人はその点で負荷がかかってしまうところがありますが、「3日同じ時間帯で勤務し、1日休みを空けて、別の時間帯に移行させるなど、不規則な中でもリズムを工夫するとズレが少なくなる」とのこと。その意味では、不規則な生活をしているのに元気な人は、一見すると不規則なようで、自分なりのリズムを刻めているのかもしれません。

 また、日常の動作や習慣をパターン化し、ルーティンにすることも「体内時計を整える点でも効果がある」(柴田氏)といいます。

 自然のリズムに合わせた生活を守らなければ健康になれないわけではなく、与えられた環境の中で自分なりのリズムをつくること、それが活力を生み出す土台になっていくのです。

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長沼敬憲

長沼敬憲(ながぬま・たかのり)
1969年生まれ。サイエンスライター、出版プロデューサー&エディター。30代で医療・健康・食・生命科学の分野の取材を開始し、代謝・免疫・腸などの専門領域を中心に多くの医師・研究者をインタビュー、書籍の企画編集を手がける。エディターとして累計30万部を超えた「骨ストレッチ」シリーズ、『人の健康は腸内細菌で決まる!』(技術評論社)、『医者が教える長生きのコツ』(PHP研究所)、『医師と僧侶が語る 死と闘わない生き方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などを担当。著書に『腸脳力』(BABジャパン出版局)、共著に『人生を変える骨ストレッチ』(ダイヤモンド社)などがある。

 


最新の科学でわかった! 最強の24時間

人間には「時計遺伝子」が存在し、その遺伝子の働きによって、起床、就寝、睡眠、食事、代謝、学習効率など、日常の行動のすべてが支配されているといっても過言ではない。代謝が進みやすい時間帯、脂肪が蓄積しやすい時間帯、集中力が高まりやすい時間帯、運動効率の上がりやすい時間帯、細胞修復の進む時間帯、体調の乱れやすい時間帯、睡眠に入りやすい時間帯……など、人の1日の行動には、それぞれ最も適した時間帯がある。さまざまな日常行動にとって一番効率のいい時間帯を理解して、どうせ同じ時間を使うなら最適な時間に行動する生活を習慣づけることをおすすめしたい。

「最新の科学でわかった! 最強の24時間」

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