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僕らの「人生交差点」~アフター3.11を生き抜く究極の二者択一

男性不妊症が急増中?!借金に離婚も続出?!
夫婦仲を揺るがす知らないとマズイ「不妊治療」の真実

西川敦子 [フリーライター]
【第5回】 2011年6月17日
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 ある日、突然妻がこう言いだしたとしたらどうだろう。

 「私たち、そろそろ本気で不妊治療に取り組んだ方がいいと思うの……」

 震災で被災した女性が無事元気な赤ちゃんを出産したニュースに、涙した人は多かったはず。「うちも早く」と考えた夫婦もいたことだろう。

 だが、結婚したからといって、誰でも自然に子どもを持てると思ったら大間違い。今や不妊に悩むカップルは10組に1組とも、8組に1組とも言われる時代だ。不妊治療を手掛ける医師の間では「実情はもっと多いのでは」と囁かれているとか。

 さりとて、気軽に取り組むにはあまりに「大変そう」な不妊治療。果たして踏み切るべきか、否か。いまどきの不妊治療の実情について、NPO法人Fine理事長の松本亜樹子さんに聞いた。

<今回のお題>「不妊治療は是か非か」 松本亜樹子さんの話

「あなたも検査して」と妻が言い出す日

 こんな場面を想像してみてほしい。

 結婚したもののなかなか妊娠できない……焦った妻は意を決してレディースクリニックへ。彼女は帰宅するなりこう言い出した。

 「ねえ、今度はあなたも一緒に行って。検査も受けてほしいの」

 内科や外科ならともかく、産婦人科を受診するなど彼にとってはまさに想定外。まして生殖能力について検査されるなんて屈辱そのものだ。そこで言い放つ。

 「なんでそんなことまでして子どもを作らなきゃいけないんだ。それに、不妊の原因なんてたいてい女性側にあるんだろ」

松本亜樹子さん。不妊症の当事者団体NPO法人Fine理事長。共著に「ひとりじゃないよ!不妊治療―明るく乗り切るコツ、教えます!」(同朋舎)

 かくして夫婦の話し合いは大喧嘩に発展してしまうのである。松本さん曰く、

 「脳の構造や機能から言って、最初から父性本能が備わっている男性は多数派ではないよう。ですから、『どうしても子どもが欲しいから、積極的に不妊治療を受ける』という人は少ないんですね。子どもが育ってくるとだんだん愛情が湧いて、母親以上に親バカになってしまうケースは多いようですが……。

 おまけに、不妊治療といえば何やらドロドロしたイメージが強い。それでついドン引きしてしまうわけです」

 思い切って夫婦で不妊治療を始めても、まだまだ山あり谷ありの日々が続く。第一、妻の感情が不安定になりがちだ。ホルモンがアンバランスになり、わけもなくイライラしたり落ち込んだり。夫はどうしていいかわからず、ただオロオロするばかり――。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


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