
日本人の望む政策が
「崩壊直前のソ連」と酷似する必然
選挙が近づいてきたので、国民が今、政治にどんなことを望んでいるのかを調べてみたところ、日本の未来が恐ろしくなった。
「社会主義国家が崩壊する際のムード」と似通っているからだ。
例えば、ネットやSNSで「日本のため」と提言している人々の主張をピックアップすると、だいたいこんな感じの方向のものが多い。
・減税でも給付金でもいいから国民に還元せよ
・社会保険料は高いので減らすかゼロにしろ
・大学まですべての教育を無償化せよ
・コメの価格を政府が責任を持って下げろ
・JRや日本郵便などの“赤字インフラ”は「再国営化」して維持せよ
・財務省は解体して積極財政に切り替えて消費税はゼロにせよ
個別に見れば、庶民の要望として驚くようなものではないが、一挙に並べてみると共通している「思想」に気づく。
とにかく国はケチケチしないでカネを景気よくバラまき、教育も医療もすべてタダにしろ。そして、国が強制力をもって市場をコントロールして「安心安全・低価格」を実現しろ――。年配の方はお気づきだろうが、これはかつて共産主義国家が掲げていた「計画経済」と「国家による価格統制」に他ならない。
旧ソビエト連邦の人民も令和の日本人と同じで、食糧や生活必需品の安さ、国家に保証された仕事や住宅、そして質の高い医療と教育を無料で提供することを国に求めていたのだ。
ただ、重なるのはそこだけではない。こういう計画経済や価格統制が引き起こす「財政赤字」に対する思想まで双子のようによく似ている。それはわかりやすく言えば、こんな考え方だ。