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アマデウスたち

松嶋啓介
鍛え上げた舌と腕で世界に挑む

週刊ダイヤモンド編集部
【第17回】 2008年2月22日
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松嶋啓介
写真 加藤昌人

 わずか28歳で「ミシュラン・ガイド」の1つ星を獲得した。日本人としては史上最年少の快挙である。

 小学生のときすでに、海外を舞台に自分の才覚1つで活躍することを夢見た。料理好きだった息子に「だったら、フランス料理の一流シェフになればいい」と母はまじめな顔で言った。心が決まった。

 高校は地元・福岡のサッカー名門校。グラウンドでボールを追いかける日々だった。仲のいい先輩が練習中にふと、「お前の夢は何だ」と尋ねた。打ち明けると、「具体的に計画を立て、それを実行しろ」と諭された。先輩は卒業後、プロサッカー選手になった。松嶋啓介は料理専門学校の門をたたき、勇躍、20歳で単身、海を渡った。

 修業先はすべて自分で選んだ。3年間で12軒を渡り歩き、経験を重ねた。フランス料理とひと言でいっても地域ごとに味も料理法も違う。それを自分の舌と腕にたたき込んだ。そのうえで、独創性を存分に表現する。代表的ひと皿となった「牛フィレ肉のミルフォイユ仕立てわさび風味」。素材のよさを引き出す、計算し尽くされたシンプルさは、目指す生き方と重なる。

 今、スペイン・バルセロナに目を向けている。世界で最も予約の取れないレストラン、天才シェフのフェラン・アドリアの「エル・ブリ」がここにある。きら星のごときシェフたちが自慢の腕を競おうと集まる。「世界の頂点で、勝負してみたい」。

(ジャーナリスト・田原 寛)

松嶋啓介(Keisuke Matsushima)●オーナーシェフ 1977年生まれ。フランス各地で修業を重ねた後、ニースに「Restaurant Kei's Passion」をオープン。2006年、レストランガイドブックの権威「ミシュラン・ガイド」で1つ星を獲得。同年、店名を「KEISUKE MATSUSHIMA」に。2007年、2年連続1つ星獲得を果たす。

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