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【第99回】 小林武史
ありのままではない「実感」[2009年11月24日]
裏方の節度を保ちながら、そのサウンドにはどれも、らしい旋律が主張している。それは決してアートに走り過ぎず、ポップの感覚を失わないから、人びとの気持ちを揺さぶり、時代の記憶として刻まれるのだろう。 -
【第98回】 市川亀治郎
深い古典理解で伝統の再創造に挑む[2009年11月17日]
歌舞伎の華である女形として頭角を現した。その「端正な芸格」は海外でも評価が高く、2006年のロンドン公演は、英国最高峰のローレンス・オリヴィエ賞最優秀ダンス作品賞にノミネートされたほどである。 -
【第97回】 小川洋子
物言えぬまま倒れた死者たちの遺品[2009年11月04日]
小説とは何か――。デビューから20年、探るために書いてきた。若い頃はひたすら自分の内側に眠る何かを探し、表出させようとした。次第に気づいたことがある。 -
【第96回】 加藤久仁生
鉛筆一本で描く豊かな映像世界[2009年10月23日]
写実とはかけ離れた映像表現が、むしろより現実味を持って、観る者の胸に刺さることを、オスカー受賞作「つみきのいえ」はあらためて教えてくれた。 -
【第95回】 古田貴之
人の役に立つ技術に命を注ぎ込む[2009年10月09日]
世界で初めて人工知能を搭載したヒューマノイドは、サッカーのゴールを決め、人びとを驚愕させた。1999年、まだ人型ロボットなど、タブー視されていた時代だ。 -
【第94回】 服部真夕
世界の岡本綾子が見初めた大器[2009年09月19日]
若手の台頭が目覚ましい女子プロゴルフ界のなかで“大器”と期待される。控えめな言動とは対照的な、豪快に攻めるゴルフ。歴史に残るトッププレーヤーの岡本綾子の唯一の弟子でもある。 -
【第93回】 樫本大進
「神童」が手に入れた強かな情感[2009年09月11日]
「神はおとなの衣装をまとった子どもにすべてを与えた」――。パリのロン・ティボー国際音楽コンクールを50年の歴史を塗り替える最年少で制した17歳を、地元メディアは手放しにこう賞賛した。 -
【第92回】 石井リーサ明理
光を操り、夜を見せる[2009年09月04日]
1999年、留学先のパリを拠点に選び、ノートル・ダム大聖堂のライトアップのリニューアルにかかわった。名前は明理(あかり)。照明デザイナーのパイオニアである母、石井幹子が名づけた。 -
【第91回】 三浦皇成
“未踏”の世界制覇に照準を定める[2009年08月28日]
「武豊の再来」―。競馬学校時代からそういわれ続けた。2008年、武騎手の持つ新人最多勝記録69勝を21年ぶりに大幅に更新。武さんの本当のすごさは馬乗りにしかわからない。僕は一生追いつけないかもしれない。 -
【第90回】 村田道宣
革新の技で光らせる伝統の美[2009年08月21日]
京友禅の図案家だった父の使いで、子どもの頃からしばしば職人の家を訪ねた。そこで、何時間も飽きることなく仕事ぶりを眺めていた。その頃の記憶を頼りにすべて独学で技を身につけていった。 -
【第89回】 柳家三三
徹底した自己否定で磨く芸の端正[2009年08月07日]
2007年、08年と年間600以上の高座に上り、1日に地方と東京をはしごすることもざらだ。月1回の独演会のチケットは数ヵ月先まで完売状態。江戸古典落語を語らせれば若手随一との評価は、揺るぎないものとなった。 -
【第88回】 福原美穂
スターダムを駆け上がる「奇跡の子」[2009年07月31日]
制服姿でマイクを握った女子中学生の圧倒的な歌唱力に、スタジオは一瞬静まり返った。放送を視たテレビ局の音楽関係者からの電話が鳴った。チャンスは思わぬところに転がっていた。 -
【第87回】 上原彩子
人生が乗っかるから音楽は変わる[2009年07月24日]
1998年、チャイコフスキー国際コンクールで史上最年少のファイナリストとなった。4年後の次の大会は「勝ちに行った」。言葉どおり、日本人初、女性初の第1位という快挙を成し遂げ、プロデビューする。 -
【第86回】 乾 久美子
服を選ぶように音楽に惹かれるように[2009年07月17日]
絵画と工作好きの少女には、毎週密かな楽しみがあった。父が買ってくる「週刊新潮」の巻末の連載「マイプライバシー」を開くこと。個人邸の内観写真の横には設計図が付いている。 -
【第85回】 岡村桂三郎
宗教的行為の一部として描く[2009年07月10日]
二曲一双の屏風に見立てた縦235センチメートル、幅720センチメートルの巨大な杉板のパネル。描き出された二頭の猛獣が呪術的な生命力を放つ「獅子08―1」は、2008度の日経日本画大賞受賞作となった。 -
【第84回】 井山裕太
“第一感”で攻めて勝ちたい[2009年07月02日]
2005年の全日本早碁オープン戦、16歳4ヵ月の若さで、張栩、王立誠、趙治勲、小林覚という一流棋士を破り優勝した。日本囲碁史上最年少の栄冠であり、四段から七段への飛び級昇段も史上初で史上最年少!! -
【第83回】 川久保賜紀
一つの音にもいろいろな色がある[2009年06月18日]
5歳でヴァイオリンを始めると、みるみる頭角を現した。2001年のパブロ・サラサーテ国際ヴァイオリンコンクール日本人初の第1位、02年チャイコフスキー国際コンクール最高位という花を咲かせた。 -
【第82回】 吉岡秀人
一生この山を登り続ける[2009年06月11日]
10代の頃、報道で目にするやせ細ったアフリカの子どもたちと、何不自由ない今の暮らしとのギャップは「時間と空間の偶然のズレによって生じている」と、痛みを覚えた。 -
【第81回】 田中 純
文化の情動を冷徹に見通す実験者[2009年06月04日]
表象文化論は、「表象」を起点に文学、芸術から政治、ポップカルチャーなど現代社会のあらゆる文化を学際横断的に批評し、文化の生産過程に創造的フィードバックを与えようと試みる新たな学問領域である。 -
【第80回】 鈴木大介
武満徹が見出した歌う心の深さ[2009年05月29日]
日本音楽界の巨星、武満徹が最後に見出した逸材である。武満はアルバムの完成を待つことなく、この世を去ったが、鈴木の“歌う”ギターはその遺志によく応え、歌う心の深さが新しい息吹を与えている。
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