「日本の病院はアメージング」
人間ドックツアーも大人気

 先の男性のように、純粋な医療を目的として来日する人が一方で、日本観光の中に医療体験を組みこんだ“医療ツアー”も広がりを見せている。

 ANAが中国人向けに提供する、ビジネスクラスを利用した「人間ドック受診ツアー」がその一例だ。中国の自宅から空港までの送迎も行い、千葉県の総合病院で1泊2日~2泊3日(費用は40万円~)の人間ドックを行うというもので、宿泊先は病院の付近のみならず、都内の高級ホテルを設定することもできる。健診ではオプションとして頭部MRIや大腸CTなどの検査を取り入れることも可能だ。

 日本へのツアープランの中に人間ドックを組みこむ旅行会社も増えており、予約受付を開始するとすぐに希望者が殺到する状況だ。1週間の日本滞在のうち、1泊2日を人間ドックに費やした中国人男性(48歳)はその体験を「アメージングの一言だ」と振り返る。

「日本の人間ドックは世界一だと聞いて、飛びつくように申し込みました。実際の健診では、医療スタッフの質や気づかい、また医師の誠実さには感動しましたね。中国の病院に健康診断に行こうなんてことはまず思いません。薬の臭いが充満した古びた建物で、愛想の悪いスタッフによる適当な診断を受け、本当かどうかも分からない診断結果を得るくらいなら、高い金額を払って海外の病院に行く方が何百倍もいい。旅行ついでに病院に行けて大満足です」

 実際に中国人観光客の人間ドックを受け入れている医療機関の関係者は、彼らの印象が大きく変わったという。

「ニュースなどで“爆買い中国人観光客のマナー”について良くない評判を耳にしていましたが、少なくともウチの病院に来てくれてる方々は、待合室でも静かにしていらっしゃいますし、健診中もマナーの悪い部分は見当たりません。『日本の人はこれほど厚待遇の医療を日々受けられるのか』と、心の底から感心している方が多いですね」