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China Report 中国は今

富裕層はもう来ない?銀座から消えた中国人観光客の行き先

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第226回】 2017年2月10日
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2016年の春節の際の銀座。たくさん買い物して観光バスに乗り込む中国人観光客が目立ったものだが……

 1月28日から始まった2017年の春節は、中国から海外への出国数が前年比7%の増加の615万人だったという(中国旅游局)。日本でも、中国人観光客がもたらす消費に期待が高まり、東京・銀座も多くの店舗が中国客を待ち構えた。

 だが、期待の春節商戦も出鼻をくじかれるかたちとなった。筆者は春節期間中、銀座界隈を3回に分けて訪れてみたのだが、雰囲気は明らかに昨年とは違う。「爆買い」転じて今ではすっかり「買い控え」ムードなのだ。

 JR有楽町駅に隣接する家電量販店は例年の熱気とは打って変わり、地下1階の炊飯器コーナーには中国人らしき人影はなかった。数寄屋橋の空港型免税店は平日より客の入りはあったものの、「活気ある売り場」からは程遠い。一世を風靡した日本ブランドの化粧水も、今や競うように求める客の姿は消えてしまった。

 晴海通り沿いのドラッグの免税専用のレジカウンターで会計していたのは、たったひとりの中国人客だった。「ツーリスト専用」に別棟の化粧品売り場を設けた百貨店もあるが、そこで筆者が見たのは客待ちの従業員の姿だけだった。

 中央通りの路面店には「春節特価」などの看板を掲げ、中国人客の購買に期待を寄せる店舗も少なくなかったが、銀座の従業員も肩透かしを食らった格好だ。「中国人客は時期をずらして訪日するようになった」という声もあるが、春節期間についていえば、どの店も「手持無沙汰の従業員」が目立った。

“トランク族”はすっかり消え
目に付く「手ぶら」の客

 中国人客は確かに銀座に訪れてはいるものの、道を行き交う中国人観光客の数も観光バスの数も、春節中は例年に比べて明らかに減った。しかも、集合時間に戻ってくる中国人客は皆、示し合わせたかのように「手ぶら」である。家電製品はいうまでもなく、大きな買い物袋を3つも4つも――という昨年までの姿はほとんど見られない。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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