日独が手を組む「EV急速充電装置」「3D立体デジタル地図」の本気度急速充電装置は、数分で充電が可能で電池にあまり負荷をかけない方法を日独同一規格で開発する方針を掲げている(写真はイメージです)

日独が包括的な協力関係へ
新分野の世界規格はどうなる?

 いま、世界中の自動車メーカーが開発を進めている技術は大きく分けて3つある。1番目は省燃費と省エネルギーの推進、2番目は自動運転の実用化、3番目は外部の情報網と結ばれたコネクテッドカーの開発だ。これらは自動車メーカーだけでは完結できない分野であり、半導体などの電子部品をはじめ、ソフトウエア、タクシーなどの自動車関連サービスといった業界が参入を狙っている。

 これら新分野の世界規格をどのように構築するかという点も注目されている。もし、これらの分野でデファクトスタンダード(業界標準)を構築できれば、普及が進み、コスト面でもメリットが出る。問題は“どの規格を標準にするか”だ。

 日本の経済産業省とドイツの経済エネルギー省は3月、次世代自動車の開発と規格策定について包括的な協力関係を構築することで合意し、覚書を交わした(ハノーバー宣言)。両政府の間ではEV(電気自動車)の急速充電方式の規格、3D立体デジタル地図開発の支援を行うことなどがテーマに上っているという。日独が協調姿勢をとるという点に、関連業界も注目している。

 急速充電装置は、数分で充電が可能で電池にあまり負荷をかけない方法を日独同一規格で開発する方針を掲げている。この実現には自動車メーカーの協力が不可欠で、両国は自動車業界団体を通じてメーカー間の意思統一を促していく。現在、急速充電装置には充電器の規格がない。充電器とプラグ部分が統一されれば、相互乗り入れが可能になる。