ハイリスク・ローリターンな
旅行業界のビジネスモデル

 しかし、「心身ともに極限状態で働き続けても、現行のビジネスモデルでは高給は見込めません」と岡田さんは言う。

「旅行会社は代理店業。高額な旅行代金をお客様から預かるのが仕事ですが、そのほとんどがホテルや航空会社の取り分なので、旅行会社に入る利益はほんの数千円なんです。当然、社員に満足な給料が払えるわけもありません。てるみくらぶのように新聞広告をデカデカと掲載していたら、コストオーバーするのは目に見えています」

 てるみくらぶは「一昨年からはじめた新聞広告が経営を圧迫」していたことを破産原因のひとつにあげている。旅行代理店は利益が出にくいビジネスモデルにもかかわらず、広告を出して集客をしなければならない。そして、客からクレームを受けるのはすべて旅行会社。まさに、ハイリスク・ローリターンな業種なのだ。

「スタッフに求められているのは、完璧な旅行を手配するという責任感を強く持ち続け、わずかな給料にも不満を持たず、長時間労働に耐えぬくこと。言うは易しですが…。業界全体の体質を変えなければ、これからも長く働ける業界にはならないと思います」

 岡田さんもまた、精神的に限界を感じて「辞めること」だけを最優先し、職場を後にした。現在は、アルバイトをしながら転職活動をしているという。