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野口悠紀雄 未曾有の大災害 日本はいかに対応すべきか

震災後、自動車が大きく落ち込み、機械が回復した理由

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第19回】 2011年6月30日
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 震災後、輸出が大きく落ち込んだことはよく知られている。2010年4月と比べると、11年4月の輸出総額は12.4%減少した。

 しかし、【図表1】に示すように、品目別には大きな差が見られる。

 減少率が最大だったのは、輸送用機器だ(43.2%減)。なかでも乗用車が、67.9%減と非常に大きく落ち込んだ。

 電気機器も12.5%減となっている(半導体等電子部品が19%減、ICが24%減。なお、テレビ受像機は20.1%増)。

 このほか減少率が大きかったのは、食料品(22.9%減)、原料品(12.6%減)、鉱物性燃料(46.1%減)などだ。

 その半面で、10年4月と比べて輸出額が増加している品目もある。一般機械は1.5%増で、そのうちの金属加工機械は36%増となっている。

 輸送用機器の総輸出額に対する比重は大きいので、これが輸出総額を減少させたことがわかる。

 このような品目別の差を反映して、地域別の輸出額の変化にも大きな差がある。自動車輸出が中心の北米向け輸出が23.3%減と大きく減少した半面で、アジア向け輸出は6.6%減と、それほど大きくは減少していない。

生産面でも、自動車の落ち込みが際立つ

 言うまでもないことだが、震災後に輸出が落ち込んだのは、震災によって国内の生産設備が損傷し、それによって国内生産が落ち込んだからである。

 経済危機後に輸出が落ち込み、そのために国内の生産が落ち込んだのとは、因果関係がちょうど逆になっている。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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