カリフォルニア州のジレンマ物語「道路はボロボロでも増税反対!」

乾ききったカリフォルニアを襲った
大雨で道路はガタガタ、ボロボロに

 米国カリフォルニア州は、長年にわたって干ばつに苦しめられてきた。だが、今年の冬はかなりの量の雨が降った。貯水池のレベルが一気に回復しただけではなく、サンフランシスコ近郊ではダム決壊という大事故まで起きた。そして、雨の影響で道路が破損し、いまカリフォルニア州は新たな問題に直面している。

 雨が降り、干ばつがやや解消されたのはいいニュース。しかし長年にわたって乾ききったアスファルトの路面に一気に押し寄せた水は、あちこちに陥没とひび割れをもたらした。結果、カリフォルニア州では高速道路、一般道ともにガタガタ、ボロボロになった。

 この事態を改善しなくてはならない、と州政府が動いた。現在、道路修繕費にかかると考えられている費用は、高速道路が590億ドル(約6兆5500億円)、一般道が780億ドル(約8兆8600億円)、という巨額なもの。これだけの費用を一気に用意するのは難しいが、とりあえず州知事は「今後10年間で520億ドルを道路修繕用に捻出する」と確約した。その方法はといえば「ガソリン税と車両登録料の値上げ」なのである。

 まずガソリン税だが、1ガロン(約3.785L)当たり12セント引き上げて40セントにする、という。たいした金額ではない、と思うかもしれないが、ガソリンにはこのほかに連邦税がかかる。しかもガソリン価格には消費税も加算される。ただでさえカリフォルニアのガソリン(現在の平均は1ガロン当たり3ドル半ば)は、ハワイを除けば全米で最も高い、といわれているのに、また増税なのである。