初期の肺腺がんが人間ドックによって早期発見されたという歌舞伎俳優の中村獅童(44)。肺がんはがんの中で最も死亡者数が多いとされ、手術数などで実績のある病院選びが大事な要素となってくる。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2017』では、年間手術数を独自調査し、手術数が多い上位病院をランキング形式で掲載。がんや心臓病、脳の病気など計30種類の治療法を取り上げているが、ここでは「肺がん手術」のランキングを最新治療とともに紹介する。
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肺がんは、がん細胞の形態によって「小細胞がん」と「非小細胞がん」に大別され、非小細胞がんにはいくつかの種類がある。肺がんの治療は「手術」「薬物治療」「放射線治療」が主で、がんの種類や病期(進行度)、患者の年齢や全身状態などによって治療法が選択される。原則として、手術の適応となるのは早期の非小細胞がんが主体で、進行がんや小細胞がんは薬物治療や放射線治療が中心となる。
手術では、がんの位置や大きさ、周囲への広がり方(浸潤)などにより、肺の切除範囲を検討する。肺は、右側が三つ、左側が二つの「肺葉」に分かれており、現在の標準治療は、がんのある肺葉を切除する「肺葉切除」である。ただし、2ンチ以下の早期がんで転移がなく、悪性度が低いがんの場合は「区域切除」などの縮小手術を検討することもある。
病院の実力を知る上で、「手術数は技術力の指標になる」と、倉敷中央病院の奥村典仁医師は話す。