「退職金貧乏」まっしぐらな人の2つの大きな勘違い

まとまったお金は
実に危険な代物

 最近は、「老後破綻」とか「老後貧乏」という言葉がメディアでも頻繁に取り上げられるようになった。

 多くの人が、老後に対して漠然とした不安を抱いていることがその原因だろう。現役世代の人が不安に感じるのは無理ないが、実際に定年退職した人たちを多く見てきた私からすると、実はそれほど心配することはない。

 老後の保障が必ずしも十分ではない自営業であればともかく、企業に勤めるサラリーマンであれば、それほど贅沢な暮らしさえしなければ老後破綻など、そう簡単にはしないものだ。
 
 ただし、これを間違えると「老後破綻一直線」という大きな勘違いがある。それは退職金の使い方である。

 私自身の経験からいって「退職金」というのは実に危険な代物なのだ。なにしろ普通のサラリーマンにとっては、恐らく生涯でただ一度受け取ることができるまとまったお金が「退職金」だからだ。心がウキウキしないわけがない。そんな高揚感から退職金の使い方を間違ってしまいがちなことがよくあるのだ。

 さらにこの勘違いは、「気が付かないままでいる」と「極めて大きなリスクをはらんでいる」の大きく二つに分かれる。それはいったいどういう勘違いなのだろうか?