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世界に学ぶリーダーシップとグローバルマインドの育て方

オリンパスはなぜ英国人をトップに起用したか
マイケル・ウッドフォード新社長が目指す
世界に通用する「働き方」革命

【第8回】 2011年7月5日
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デジタルカメラをはじめとする映像事業の立て直しを急ぐオリンパスが4月、大胆なトップ人事に打って出た。収益を支える内視鏡など医療事業分野を中心に歩んできた英国人のマイケル・ウッドフォード氏を欧州事業統括会社のトップから日本本社の社長に抜擢したのだ。聖域なき事業構造改革に乗り出したウッドフォード氏は同時に、調和とコンセンサスを重んじるあまり他者との衝突を避ける日本人の働き方を大きく変革したいと考えている。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 麻生祐司)

――社長に抜擢された理由をどう自己分析するか。

マイケル・ウッドフォード
(Michael Woodford)
1981年、オリンパスの英国グループ会社キーメッドに医療機器の営業マンとして入社。29歳でキーメッドの代表取締役に就任。2001年オリンパス インダストリアル アメリカのビジネス統括担当。04年オリンパスメディカルシステムズ(東京)取締役、05年1月同ヨーロッパ代表取締役社長、08年4月オリンパス・ヨーロッパホールディング代表取締役社長に就任し、欧州の全事業を統括(医療・産業・ライフサイエンス・映像)。11年4月にオリンパス株式会社の社長に就任。Photo:REUTERS/AFLO 

 表層的ではない誠実な答えを伝えたいので、やや話が長くなるが、お付き合いいただきたい。

 私は自分の直感の精度に自信があるほうだが、昨年10月に菊川さん(菊川剛 当時社長・現会長)からこの話をもらったときは、とにかく驚いた。本当にまったく予想していなかったからだ。

 私はどちらかといえば、集団の中では一匹オオカミ的な存在だし、(日本人から見れば)少し予測不能な人間だろう。たいていの日本人は予測不能性や不透明性を好まない。オリンパスが倫理的にとても良質な会社であることは知っているし、この会社のことがとても好きだが、それでも日本企業は一般論として保守的であり、(このような人事は)ありえないと思い込んでいた。

 では、なぜ私なのか。本当のところは菊川会長に確認してほしいが、代わりに順を追って説明すれば、こういうことではないか。

 まず日本は文化、社会だけでなく、ビジネス的な意味合いでも、非常に興味深い国だ。第二次世界大戦後、この国は質の高い調和とコンセンサスによって進化し続け、経済的なスーパーパワーへと躍進した。

 学生のころ、ふと周りを見渡したら「メイド・イン・ジャパン」だらけになっていたことを今でも鮮明に覚えている。車、カメラ、テレビ……高い品質と手ごろな価格で、日本製品は世界を席巻した。日本は西洋から学び、むしろ西洋よりもうまく実践した。QCD(Quality、Cost、Delivery)の何たるかを心底理解した最初の国は日本だ。自己規律、細部への徹底したこだわりは素晴らしいサクセスストーリーを生んだ。

 しかし、世界は常に変化し続ける。日本が成し遂げたことは、必ずしもイノベーティブなことではなく、開発そして製造に関するものだった。そのいわば製造の芸術、製造の科学は今やアメリカのオハイオからカナダのトロント、ドイツのベルリンからチェコのプラハに至るまで、地球上のさまざまな場所で同様に具現化されている。

 今の日本は何を持っているのか、今の日本のアドバンテージはいったい何なのか――。そうした問いに行き着くのは当然のことだろう。

 こうした状況を受けて、日本が決定的な凋落に陥ったとの声も一部からは聞こえてくるが、私自身は悲観していないし、日本の将来を信じている。しかし、この国を30年あまり見てきて、さらなる進化が必要な時期にあることは間違いないと思う。

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