ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
脳にまかせる勉強法
【第19回】 2017年6月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田義博

天才にもおとずれるプラトーの正体とは?

新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』では、脳の仕組みを活用し、4回連続記憶力日本一、日本人初の記憶力の世界グランドマスターになった著者による世界最高峰の勉強法を紹介しています。早くも4刷となった本書から、記憶力が左右する試験、資格、英語、ビジネスほか、あらゆるシーンで効果を発揮するノウハウを徹底公開します。

脳は知識を整理して使える形に作り変える

 何事においても、技術を上達させるにはやはり多くの練習が必要です。

 しかし、長く一つの目標に対して努力を続けてきた人ならわかると思いますが、技術というものは、練習や訓練の量に伴って「直線的」に上達していくわけではありません。

 必ず途中に何度か停滞する時期があります。

 そこを乗り越えて初めて上のレベルへと到達することができるのです。

 これには例外はなく、誰でも同じ道をたどることになります。

 この上達の仕方をグラフにすると次のような形をとります。

 はじめのうちは、技術も基本的な内容で比較的簡単なので急激に上達していきます。この時期は、練習や訓練も楽しく感じられるかもしれません。

 ところが初心者の段階を卒業し、ある程度の時間が過ぎてくると上達度を表す線は徐々になだらかになってきます。

 なぜならレベルアップするためには、習得しなければならない、それまで以上に難しい知識や技術が徐々に増えていくからです。

 このように何かが上達していくときには、必ず階段状の上がり方になります。

 習う種目の難易度や個人の能力差によって、グラフの幅や角度は一定ではありませんが基本的な形状は誰でも共通です。

 よく見ると途中で階段の踊り場のように平らになっている部分がありますが、この平らな部分のことをプラトー(学習高原)と呼びます。

 この時期はどんなに練習を重ねても、本人にとっては技術が少しも伸びていかないためとてもつらい時期なのです。

 この上達曲線の考え方は、当然勉強にも当てはめることができます。つまり、勉強時間に対する成績の上がり方とも見て取れるのです。

 この上達曲線のことを知っているか知っていないかでは、勉強を続けていくうえで結果にとても大きな違いを生むことになります。

 上達曲線の仕組みを知らないと、目標に向かって的はずれな努力をしてしまう可能性だってありえるのです。

 勉強において、プラトーの期間は、知識は頭には入っているのだけれど、それをすぐに取り出すことができない、またはうまくその知識を使いこなせない時期にあたります。知識の扱いがぎこちないため、成果が出にくいのです。

 本人としては停滞しているように感じてしまいますが、この時期は脳にとって非常に重要な期間です。

 このプラトーの期間中、脳は知識を整理して使える形に作り変える作業を行っています。この知識の熟成期間を経ることで、頭の中の知識は使える知識として整理された形になるのです。まるできちんと整理された本棚のように、必要なものもすぐに探すことができます。

 応用が利き、思考速度も速くなるため成績も一段上げることができるのです。

 怖いのはプラトーに対する無知により、そこであきらめてしまうことです。

 プラトーが来たらあせることなく、反対に、「プラトーがきたぞ! この後、必ず成績が上がる前兆だ!」と喜んでこの時期を乗り越えてください。

スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法

効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法

鈴木 秀明 著

定価(税込):本体1,400円+税   発行年月:2017年6月

<内容紹介>
よく出る問題ほど後回しにして、「捨てる・詰め込む・追い込む」引っ越し作業のように、短期集中サイクルで絶対に忘れない勉強法。やらないところを決めて、不必要なところはバッサり切り落とし、最後の1日で確実に覚える技術

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍

(POSデータ調べ、6/18~6/24)



池田義博(いけだ・よしひろ)

一般社団法人日本記憶能力育成協会会長。
大学卒業後、大手通信機器メーカーにエンジニアとして入社。その後、学習塾を経営。 塾の教材のアイデアを探していたときに出合った記憶術に惹かれ学び始める。このとき、記憶力を競う記憶力日本選手権大会の存在を知り出場を決意。独学での 練習の末、初出場した2013年2月の大会で優勝し記憶力日本一となる。その後、14年、15年と3連覇。17年も優勝し、出場した4回すべて記憶力日本 一に。
また、13年12月、ロンドンで開催された世界記憶力選手権において、日本人初の「記憶力のグランドマスター」の称号を獲得する。
次の夢は技術としての記憶力を広く世の中に伝え、さまざまな立場の人々の記憶力向上に貢献し、それにより豊かな生活を享受してもらうこと。その活動を使命とし形にするため、一般社団法人日本記憶能力育成協会の設立に至る。
NHK総合「ためしてガッテン」や「助けて! きわめびと」、TBSテレビ「マツコの知らない世界」など、テレビ出演多数。


脳にまかせる勉強法

年齢を重ねるにつれて覚えが悪くなると思っている人がいたら、それは間違いです。脳はいつからでも鍛えることができます。世の中に存在する試験と名のつくもののほとんどは記憶の量で結果が左右されるので、記憶力さえ身につければ、たいていの問題は解決できます。そこで、本連載では、新刊『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』から、「覚える」「引き出す」「やる気を出す」「集中力を保つ」など、40代・独学でも4回連続日本一になれた、脳の編集力を最大限に利用した最強の記憶術を紹介します。

「脳にまかせる勉強法」

⇒バックナンバー一覧