トランプはどう受け止める?
日系自動車の現地生産が増加
日系自動車メーカーの北米(米国、カナダ)現地生産が増えている。日本自動車工業会のまとめによると、2016年1年間の生産台数は498万9360台、前年比3.4%増と、4年連続で過去最高記録を更新した。このうち米国での生産は同じく前年比3.4%増の397万6482台となり、これも過去最高である。また、16年度としての集計は、北米での日本車生産が初めて500万台を突破した。この数値をトランプ米政権はどのように受け止めるだろうか。
昨年の日系自動車メーカーの海外生産実績は、中国、ASEAN(アセアン)、インドなどアジア地域での合計が初めて1000万台を超え、1009万1574台、前年比6.5%増だった。前年比マイナスだった地域は、オーストラリアでの現地生産完全撤退が決まった大洋州とアフリカ、中近東だけで、ほかはすべて前年実績を上回った。日本国内での生産はやや減少傾向にあるものの、世界生産は依然として順調だ。昨年の全海外生産は1897万9448台、前年比4.9%増である。
今年の海外生産見通しについて、日本自動車工業会は「昨年と同様の傾向で、依然としてプラス基調」としながらも、北米については「米国第一主義を掲げるトランプ政権の出方が不確定要素」とコメントしている。今年1月にトランプ氏は、大統領就任前にもかかわらず、自身のツイッターで「トヨタはメキシコに工場を新設するべきではない」と発信し、計画の撤回を求めた。その2日前にはフォードが同様にトランプ氏にツイッター上で批判され、メキシコ工場の建設計画を撤回していたため、トヨタもフォードにならった。