愛知県津島市にあるえにし治療院の中村考宏院長にお会いした折のこと。「日本人、とりわけ若い人の大半は骨盤が後傾しているんですよ」。開口一番、先生にそう言われて少々面食らってしまいました。骨盤は分かるけれど、後傾って? そもそも骨盤の正しいあり方って? 

 先生によると、人間にとって最も健康的でバランスのとれた体とは骨盤がまっすぐに立ち、股関節が柔軟で、お尻と太ももの裏側の筋肉が適度に発達した状態のこと。

 中でも基本となるのは骨盤の位置ですが、通常はまっすぐに立っているべき骨盤が後方に傾いている場合があります。これが骨盤後傾です。

 骨盤後傾による健康リスクははかりしれないものがあります。まず、股関節の動きをブロックするため、そのぶん腰やひざの関節に継続的に負担がかかってしまいます。こうした下肢の筋肉の不自然な動きは、やがて上肢にも悪影響をおよぼしていきます。