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経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

武藤氏以外に適任者はいるか?日銀新総裁に求められる資質

町田 徹 [ジャーナリスト]
【第14回】 2008年2月1日
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 一段と鮮明になる米景気の後退と、原油価格の高騰をきっかけに日本に忍び寄るスタグフレーション(景気後退下でのインフレの進行)の影――。この難局の舵取りの一翼を担うことになるのが、3月19日に任期を終える福井俊彦・日銀総裁の後継者だ。

 政府・自民党や経済界、民間エコノミストが幅広く支持する大本命は、現在、副総裁ポストにある武藤敏郎氏である。ところが、参議院で多数を握る民主党は、武藤氏が元財務事務次官であることを理由に同氏の擁立に根強く反発しているという。注目を集める次期日銀総裁に求められる資質とはいったい何なのか、あるいは、武藤氏よりも適任と言える人物が存在するのだろうか、検証してみよう。

すべての条件を満たす
人材を探すのは至難

 日銀新総裁に就くための必要条件はなんだろうか。本稿の執筆のため、日頃から驚くべきファクツや明晰なロジックを教示してくれる、筆者のとっておきのソースたちに意見を聞いたので、まず、その結果をご紹介しよう。

 「何よりも経済通として著名で、国際的に通用すること。もちろん、経営者でもよいが、できれば、エコノミストの方が望ましい。G7(先進7カ国蔵相・中央銀行会議)などの国際金融会議が頻繁に開かれ、海外出張が多くなるので、頑健な身体を持っていることもとても重要だ」(有名エコノミスト)

 「今は、利上げなどで普段より遥かに困難な金融政策の選択が求められる可能性が大きい。そのためには、周囲の反対を押さえ込んで、実行できるだけの政治力、説得力を持った人が必要になってくる」(野党実力者)

 「最近で言えば、なぜ、サブプライムローン危機が起きたのか。原油価格の高騰のメカニズムは…。そうした国際的な資金・資本移動の実態をいち早く把握・理解できる能力と、そうした新たな現象に対して、果敢に必要な手を打てる能力が不可欠でしょう」(証券ディラー)

 「市場と上手に対話できる人。そういう意味では、唐突な印象を与えない安定感も重要だ。それから日銀という巨大組織のポテンシャルをうまく引き出す大組織の長という側面も見逃せない」(銀行系証券アナリスト)

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町田徹 [ジャーナリスト]

1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。


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