向こう1年の保存を勧めたい特集号
個人の資産運用にあって、外貨建て資産への投資知識は「普通のこと」から「避けられない常識」になりつつある。こうした中、現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(7月23日号)は、「為替投資入門」の特集を組んだ。全体で70ページ近い大特集であり、外貨資産運用に興味のある投資家は全体を通読して知識をアップ・デートしておきたいところだし、金融商品の販売に関わる金融機関の職員やFP(ファイナンシャルプランナー)にとっては何はともあれ理解して常に参照できるようにしておくべき定番資料だ。
たとえば、現在流行中の通貨選択型の投資信託の「ブラジルレアル・コース」のような商品がどのようにして高利回り(に見える)分配を可能にしているのか、「理解できない」或いは「説明できない」(どちらも同じようなものだが)という投資家やFPは少なくないのではないか。
また、数多ある外国為替取引の選択肢の中で、実質的な手数料が本当に安いのはどの選択肢なのか、調べるのは骨が折れるけれども、実際にコストの差はかなり大きなものがある。これを知らずに外貨の両替を行ったり、ましてFXなどの為替取引に参加したりするのは、損が大きいかも知れない。
もちろん、ここは『ダイヤモンド・オンライン』の連載コラムなので、いかに筆者がへそ曲がりでも週刊ダイヤモンドを「買うな!」と言うはずはないのだが、本特集号は是非手元に置いておく価値がある、と申し上げておこう。
幸か不幸か筆者は本特集号に参加していないので、為替レートの相場に関する想定や解説が、たとえば1年後にどう見えるかが面白いし、そのこと自体に、大きな教育的価値があることも含めて、この特集号は1年間保存しておくことをお勧めしたい。外貨投資に対するニーズは大きいので、来年もまた、同様の特集があるだろう。比較も一興だ。