新刊効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法は、東大を独学で現役合格し、年間50以上、累計500超の資格を取得してわかった超合理的な方法を網羅しています。「時間をかけずに短期集中で勉強し、しっかり結果を出せる」――それが、「7日間勉強法」。どんな勉強にも応用できる、この短期集中のサイクルを一部抜粋して紹介していきます。

試験に合格するために覚えるべきこと

 第8回では、月曜日から金曜日の間は過去問を見ながら、土曜日から日曜日の朝にかけての直前期に覚えるものをピックアップするのだとお話ししました。

 今回から、その直前期の勉強方法を説明していきましょう。

 直前期に覚えるためにこれまで後回しにしてきたのは、
「試験によく出る重要なところ」
「細かい数字や図表など直前に覚えておきたいところ」
「理解しきれなかったけれど、試験に出る可能性が高いところ」
です。なぜあえて後回しにしたのかというと、「試験に合格するために覚えるべきことを、確実に覚えるため」です。

後回しにする作業で得られた大きな財産

「試験によく出る重要なところ」を後回しにしたことで、不安に思っている人もいるかもしれませんが、そんな心配はまったくいりません。なぜなら、すでに月曜日から金曜日までの間に、(クリア条件を理解するために目を通したのを加えれば)過去問を最低でも4回は見ているからです。何もせずに後回しにしてきたわけではなく、ちゃんと目を通してきているので、知識も記憶も蓄積されています。

 あとは、しぼり込んだ箇所をこの直前期に一気に覚えればいいのです。

 直前に詰め込む「一夜漬け」にはよくないイメージがあるかもしれませんが、超短期の勉強で試験に合格するためには、最後に詰め込むのが最も効果的なのです。この試験直前の最後の1日が、「7日間勉強法」の最大の山場といってもいいでしょう。

 序章でも触れた「エビングハウスの忘却曲線」でも実証されているとおり、一度覚えたことも、1時間後、1日後と時が経つにつれて急激に忘れていきます。逆にいえば、「直前に覚えたことほど記憶に残っている」ということです。

 勉強でも、早い段階で覚えたことは試験本番までに忘れてしまっていることが多いものです。一般的な勉強法では、その段階で記憶に定着させることに時間をかけますが、それは時間のムダだと私は考えます。

「7日間勉強法」は、記憶の定着に時間をかける代わりに、直前期に集中して覚えます。定着にかける時間を減らして、直前の暗記に力を注ぎ込むからこそ、短期間での合格が可能となるのです。

 つまり、直前まであまり勉強ができていなかったとしても、暗記に関していえば、直前期の勉強だけでじゅうぶんに取り返すことができます。

 次回は、「どう覚えるのか」、その具体的な方法について解説していきましょう。

暗記モノは超短期の勉強でも問題ない