自動運転ゴルフカートが公道を走行、輪島市実証実験の独自性輪島の名物、朝市の風景 Photo by Kenji Momota

自動走行で輪島市街の
塗めぐりコースをぐるり1周

「そこのお兄さん、どうかね。3つで1000円にまけておくよ」

自動運転ゴルフカートが公道を走行、輪島市実証実験の独自性輪島エコカートを使っても行きやすい、足湯。地元出身の永井豪先生が生み出したキャラクターたちがお出迎え Photo by Kenji Momota

 おばちゃんたちの優しい声に癒されながら、輪島市名物の朝市を探索した。タコ干物や輪島塗りの茶器を購入し、さらに街中をブラブラと歩く。

 途中、足湯を見つけてホッとひと息。泉質や効能の解説が書かれた記念碑には、キューティハニーとマジンガーZのイラスト。この地は、漫画家・永井豪先生の生まれ故郷で、朝市通りに同氏の偉業を讃える記念館がある。

 日本海を望む輪島港に向かい、輪島キリコ会館へ。キリコとは、能登半島の各地の祭りで使われる御神燈だ。館内には、ビルの3階の高さに届くほど巨大なキリコがズラリと並ぶ。

自動運転ゴルフカートが公道を走行、輪島市実証実験の独自性輪島工房長屋の前で、すれ違う2台の輪島エコカート。こちらは自動運転中 Photo by Kenji Momota

 次に、徒歩ではなく『輪島エコカート』に乗って、町の風景を感じてみよう。

 キリコ会館前のエコカート専用停車場で待っていると、黒い車体に白いルーフのヤマハ製電動カートがやってきた。ドライバーは、背中に大きな『能登・輪島』のロゴを描いた赤いポロシャツ姿の若者。乗車したのは筆者ひとりだ。

 走り出す直前に「ではここで、自動運転を始めます」と、運転席の右斜め前方にあるスイッチを、手動から自動へと切り替えた。そこは駐車場内なので、かなりゆっくりとした走行。「進行方向に向かって、地面に黒い線が見えると思いますが、あの電磁誘導線に沿ってこのカートはいま、自動で走っています」と、ドライバーの説明が入った。