AI囲碁はどこがどう強いのか、大橋六段がその「思考法」を解説世界最強棋士の中国・柯潔九段はアルファ碁に3連敗した  写真提供:Google

人類最強棋士相手に3連勝を飾った米グーグルの囲碁AI「アルファ碁」。10年先と言われていた人類に対するAIの完全勝利は、囲碁界に激震をもたらした。人類が積み上げてきた囲碁の定石は過去のものとなり、アルファ碁の戦い方は囲碁の常識を覆そうとしている。AIの勝利は囲碁界に何をもたらしたのか。人類とAIはどう向き合っていくべきなのか。アルファ碁に揺れる囲碁界の現状を、大橋拓文六段が描く。

 将棋界で藤井聡太四段がデビュー以来の29連勝という新記録を達成した。将棋界の枠を越え、社会現象と言えるフィーバーぶりである。囲碁・将棋界を合わせてみても、1996年の羽生善治七冠誕生以来のビッグウェーブと言えそうだ。中学生棋士が公式戦で土つかずの29連勝はもちろん偉業だが、ここまで棋界を飛び越えたニュースになったことは、昨今、AIの台頭で揺れる私たちプロの棋士にとって、非常に喜ばしいことである。