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大義なき日本の“フェアトレード”ブーム
不買運動も辞さない正義の消費は日本人に可能か?

2011年8月8日
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 フェアトレード(fair trade)は、“発展途上国の生産者から生産コストや原材料に見合った価格で商品を購入する”ことで、より公平な貿易を行おうというものである。それによって生産者や労働者の労働環境や生活水準が改善し、児童労働や強制労働の撤廃につながると期待されている。

英国のスーパーでは、フェアトレードのバナナは20%ほど高く売られていた。Photo by Kazumoto Ohno

 現在、フェアトレードの対象産品にはコーヒーや紅茶のほか、バナナや砂糖といった農産物、衣類、雑貨など21種類がある。たとえば、イギリスのセインズベリーというスーパーで売っているバナナをみると、普通の商品は8本で1.15ポンドだが、フェアトレードのバナナは1.37ポンドで20%ほど高くなる(右の写真参照)。途上国の生産者が先進国の業者にバナナを売る場合、先進国の購買力があまりにも強いので、買い叩かれてしまうことがあるが、それでは途上国の国民の生活水準が改善しないどころか、貧困のさらなる悪化を招いてしまう。

 日本でもここ数年、フェアトレードに対する認知がにわかに高まっており、6月には熊本市が世界で1000番目、アジアで初のフェアトレード・タウンに認定された。さらに、若者を中心にフェアトレードへの関心も高まりつつあり、スターバックスコーヒーは2002年に日本国内でフェアトレードのコーヒー販売を始めている。

 ここで、フェアトレードの歴史を少し振り返ってみよう。

 フェアトレードは1950年代に、イギリスの「オックスファム」という団体がその促進に取り組んだことから始まったと言われている。イギリスのあと、オランダをはじめ欧米に次第に広がっていった。

 1989年には国際フェアトレード連盟が設立され、世界61カ国270の団体が加盟した。さらに、97年にFLO(国際フェアトレードラベル機構)が発足し、製品ごとにフェアトレードの国際規格が策定され、製品の認証が行われるようになった。いうまでもないが、環境破壊をしていないこと、児童労働や強制労働をさせていないことなどが、認証を獲得する際の条件となる。基準を満たせば、「フェアトレード・ラベル」が貼付される。

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