グーグルが新しく発表したソーシャルネットワーク・サービス(SNS)、Google+(グーグル・プラス)が破竹の勢いでユーザーを増やしている。

 公開された6月末からおよそ1ヶ月経った8月初めの時点で、登録ユーザー数は2500万人。フェイスブックの7億5000万人にはもちろんかなわないが、こちらのほうは7年かかっての数字だ。

 しかも、グーグル・プラスは、まだ招待制の試行運転期間中にすぎない。それでも話題性も好感度もかなり高く、このぶんでは年末までにツイッターを超えて、フェイスブックに迫る第2のSNSに躍進する可能性もある。

 迎え撃つフェイスブックは、初めて現れた強敵を前にして、明らかに焦燥感を募らせているようだ。グーグル・プラスがスタートして以降、スカイプと提携してビデオチャットを取り込んだり、中小企業向けのサービスを発表したりと大忙しである。グーグル・プラスが短期間でこれほどの人気を集めるとは、予想していなかったのだろう。

 グーグル・プラスの機能はすでにあちこちで報じられているので、ここでは詳述しないが、約めて言えば、以下の三点が大きな特徴だ。

 ひとつは、交友関係やネットでフォローしたい人々を自分なりの名前をつけて分類できる「サークル」という仕組みがあることだ。フェイスブックならば、友達かそうでないかという区分が重要だったが、グーグル・プラスではあらゆる人々を取り込み、「友達」「同僚」「得意先」「ゴルフ仲間」といったサークルに分類できる。

 第二の特徴は、その自分のサークルに取り込む際に相手の承認が必要ではないことだ。相手には、サークルに入ったことだけが伝えられるが、どんな分類になっているのかまでは知らされない。また相手がその人物をフォロー仕返すかどうかも自由だ。

 第三の特徴は、コミュニケーションのためのツールが充実していることである。書き込み以外にも、多方向のビデオチャットやテキストメッセージングができるが、それをサークル内だけ、あるいは複数のサークル、特定のユーザーだけといった具合に、公開する範囲をフレキシブルに設定できる。

 これら3つの点は、ある意味、当たり前のことに聞こえるだろうが、こんなSNSがいままでなかったのだ。