心理的報酬がいかに充実しているか
昔から変わらない「魅力ある職場」の定義

 昨年6月に連載を開始して以来、これまで様々な角度からフリーライダーについて分析してきた。その中で、フリーライダーのいない、あるいは少ない会社の好例として挙げられてきたのが、グーグルやザッポス、サウスウエスト航空などである。

 詳しい説明は過去の記事を参照していただきたいが、それらの会社に共通しているのが、「魅力」である。

 近年、色々な能力を表すのに「○○力」という言葉がよく使われるが、そのような造語ではなく、昔からあるのが「人を惹きつけ、夢中にさせる力」を意味する「魅力」という言葉だ。

 魅力のある職場にはフリーライダーがいない。仕事に伴うコストを払っても、なお得られるものが大きいからである。その「得られるもの」は金銭的報酬だけではなく、心理的報酬も含まれる。

 心理的報酬には様々なものがある、上司や同僚からの信頼、感謝、自分が会社に貢献しているという充実感、自分の将来のキャリアに役立ちそうな経験と情報などが主なものだ。

 このうち、少なくとも他者から感謝や賞賛をもらったときは、金銭的報酬をもらったときと同じ脳の「報酬系」と呼ばれる箇所が働くことがわかっている。

 つまり、おカネにも感謝にも脳は同じように「快感」を感じるのである。この意味で「魅力的な職場」をつくることは、タダ乗りを防ぐ最も有効な手と言える。

 しかし、ではどうすれば魅力的な職場を作れるのだろうか?

 これまで筆者が取材してきた情報をまとめると、魅力的な職場は3つの要素から成る。