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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

暴走する“タダ乗り経営者”に泣かされる社員たち
オリンパスや大王製紙に学ぶ「権威と集団のリスク」

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第42回】 2011年12月7日
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品格とガバナンスなき経営に、
顧客も社員も社会も失望する

 隠蔽と暴走――。

 経営トップの座にある人々が不祥事を引き起こすケースが、日本企業で相次いでいる。オリンパスの損失隠し、大王製紙の特別背任容疑。共に「名門」と呼ばれる大企業のトップによる不祥事だ。

 オリンパスの場合は、10年以上も損失が表沙汰にならないように隠蔽されてきたと報じられている。この先、その事実関係が明らかにされていくものと思われるが、なぜに10年以上にもわたって、隠蔽が気づかれることがなかったのか。

 マイケル・ウッドフォード元社長以前の取締役は、誰も疑問すら感じなかったのか。前社長は雑誌の記事を読んで問題意識を感じ、監査法人に検証を依頼した結果、損失隠しの疑惑が確信に変わったと報じられている。

 では、それまでの社内の経営者の間では、本当にそんな噂すら囁かれていなかったのだろうか。そして、誰も勇気を持って行動しようとした人はいなかったのだろうか。

 大王製紙の場合は、元会長が連結子会社から100億円超の使途不明の借入を行なったという容疑をかけられている。その大半がカジノの借金のためと言うから、驚きだ。

 庶民感覚からすると、どうやったら賭けごとで100億円を使えるのか、その使う場所も、使い方もイメージができず、不思議で仕方がないのだが、事実であるならば、明らかに異常であることは確かだ。

 その「異常なこと」を、1人の人間が実行できてしまったわけである。なぜなのだろうか。

 これらの行為は、こつこつと真面目に頑張っている社員及び、その歴史的積み上げの結果として築きあげた会社の信頼に対する、悪質な「タダ乗り行為」である。社員からすると、真面目に仕事に向き合って毎日を過ごしていたところに、降ってわいたような災害をもたらされたことになる。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

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