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新・独学術
【第10回】 2017年8月4日
著者・コラム紹介バックナンバー
侍留 啓介

社会人が賢くなるために一番コスパのいい本とは?
ビジネス書を100冊読むよりコレを読むべし

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マッキンゼー・アンド・カンパニーなど要求水準の高いビジネスの現場を渡り歩き、「可能な限り優れたパフォーマンスを実現するためにはどうすべきか?」と試行錯誤してきた著者が提案する、ビジネスパーソンのためのまったく新しい学習法『新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』。佐藤優氏が「ビジネスパーソンにとって本当に役に立つ最良の書」と絶賛するなど話題の同書より一部を特別公開する。

社会人にとってコレ以上に効率的なテキストはない

 知識と論理を学ぶにあたって、大学受験のやり直し学習ほど効率的で、効果の高い学習法はありません。

 たとえば、あなたが経済学を学びたいと思ったとします。しかし、単純に経済学といってもさまざまな種類があって、「経済史」もあれば「マクロ経済学」や「ミクロ経済学」もあります。標準的な教科書の『マンキュー経済学』(東洋経済新報社)は2巻で約1500ページ。これをいきなり読み始めるのはかなり大変です。

 一方、大学受験用の参考書、たとえば『政治・経済 標準問題精講』(旺文社)では、経済分野のわずか40題をこなすだけで、経済史もミクロ経済学もマクロ経済学も全体像を俯瞰できます。

 わずか40題とはいえ、この参考書で経済の仕組みを大づかみに理解できれば、世界全体の経済の流れを理解し、自らのビジネスのあり方を見直すこともできます。

 私の通ったシカゴ大学はシカゴ学派と呼ばれる経済学において世界屈指の大学ですが、そんなシカゴ大学でも国際経済の第1回の授業は、「GDPの定義」でした。高校生向けの政治・経済を学習していれば十分理解できるレベルです。経済学のトップスクールですら、あえてこうした基礎知識から授業を始めるのです。どんな分野でも、基礎知識をよく理解してこそ初めて次のレベルの研究に進むことができます。

問題を解くことで、知識が「自分のもの」になる

 大学受験用の教材を使うメリットは、たんに効率的に俯瞰できるということだけではありません。最も重要な価値は、「参考書には問題と答えがある」ということです。多くのビジネスパーソンがいわゆるビジネス書、実用書の類をたくさん読んでいます。

 そこに書かれている情報自体は有益です。しかし、本で学んだことを、読者は本当に理解し、自らの血肉にできているでしょうか。あるいは、間違えて理解せず、正しく知識を身につけられているでしょうか。

 せっかく知識を仕入れても、それを正しく咀嚼し、記憶として定着させられなければ意味がありません。自分では理解したつもりでも、実際には曲解した知識を身につけてしまっていたり、相手を説得するに足る十分な知識を身につけられていないことはよくあります。

 本当の意味で知識や論理を身につけたいと思うなら、「この場面で著者が言いたいことは何か?」「これって、いったいどういうことなのか?」「なぜ、そう言えるのか?」という問いを立て、論理的に考え、正しい答えを導き出すというトレーニングが不可欠です。

 とはいっても、自分で問いを立てながら本を読むのは簡単ではありません。しかし参考書ではフィードバック付きのトレーニングができます。出題されている問題を考えて、それから解答を見て、考えた結果と照らし合わせる。この繰り返しによって知識が自分のものになり、記憶として定着していきます。

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    侍留 啓介(しとみ・けいすけ)

    岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、三菱商事にて金融投資業務を担当。その後、シカゴ大学経営大学院にてMBA(経営学修士)を取得。帰国後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、金融・消費財・製造業など幅広い業界において経営コンサルティング業務に従事。現在は、外資系投資ファンドであるCLSAキャピタルパートナーズにて投資実行・経営支援に従事。大手学習塾の取締役を務めるなど教育ビジネスにも精通。また、京都大学博士後期課程にてファイナンス理論(専門はコーポレートガバナンス)を研究している。


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