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新・独学術
【第8回】 2017年7月21日
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侍留 啓介

日本人が世界のビジネス界から取り残されている理由

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マッキンゼー・アンド・カンパニーなど要求水準の高いビジネスの現場を渡り歩き、「可能な限り優れたパフォーマンスを実現するためにはどうすべきか?」と試行錯誤してきた著者が提案する、ビジネスパーソンのためのまったく新しい学習法『新・独学術――外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』。佐藤優氏が「ビジネスパーソンにとって本当に役に立つ最良の書」と絶賛するなど話題の同書より一部を特別公開する。

圧倒的に「学習量」が足りない日本のビジネスパーソン

 本連載の第3回でも触れた通り、世界のビジネスエリートが集う(とされている)ビジネススクール(MBA)でも、そこにいるほとんどの人は凡人です。

 実際、ビジネススクールに通う生徒の間では、「I'm not a rocket scientist.」(私はロケットサイエンティストみたいな天才じゃない)という冗談まじりの(しかし本音でもある)発言が頻繁に登場します。私の感覚からしても、地頭だけでいえば、日本の一般的なビジネスパーソンと海外のMBA生らのレベルはそれほど変わらないと思います。

 たとえば、MBA生であってもコンサルタントであっても投資銀行員であっても、そこで使っている分析ツールはほとんどがエクセルです。凡人には理解できないような複雑な計算や論理立てをしているのではなく、つまるところ小学生でも理解できる四則演算のレベルで仕事をしているわけです。

 しかし、海外のプロフェッショナルと比べて、日本のビジネスパーソンが明らかに劣っている点があります。それは「学習量」です。知識のインプットと論理トレーニングの量において、海外のプロフェッショナルと日本のビジネスパーソンとでは大きな差があるのです。

 ビジネススクールに通うと、一晩で100ページくらいの課題文を読み、超早口で英語をまくしたてるクラスメイトと討議し、10枚ほどのレポートにまとめるという作業を毎日毎日繰り返します。

 ビジネススクールだけではありません。外資系のコンサルティング会社の多くでも同様に、毎日大量のインプットとアウトプットを繰り返しています。プロジェクトに入ると、まずは数日で関連書を10冊以上読みこなし、その後、仮説をもとに専門家や顧客にインタビューを行い、それを数十ページのスライドに落とすというルーティン(基本動作)を毎日重ねます。

 つまりビジネススクールにせよ、コンサルティング会社にせよ、大量の知識のインプットと、議論を深めるための論理的思考が要求されるわけです。労働時間とプレッシャーだけでいえばブラック企業なみです。

 それに比べ、日本の一般的なビジネスパーソンはどうでしょうか。もちろん会社や個々人によって状況は異なりますが、MBA生やコンサルタントほどの大量のインプット、アウトプットを毎日積み重ねている人はほとんどいないのではないかと思います。

 とくにビジネススキルの核となる「知識」と「論理」については、磨き方も含めて、体系立って学ぶ機会がほとんどありません。

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    侍留 啓介(しとみ・けいすけ)

    岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、三菱商事にて金融投資業務を担当。その後、シカゴ大学経営大学院にてMBA(経営学修士)を取得。帰国後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、金融・消費財・製造業など幅広い業界において経営コンサルティング業務に従事。現在は、外資系投資ファンドであるCLSAキャピタルパートナーズにて投資実行・経営支援に従事。大手学習塾の取締役を務めるなど教育ビジネスにも精通。また、京都大学博士後期課程にてファイナンス理論(専門はコーポレートガバナンス)を研究している。


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