賃貸住宅最大手である大東建託の営業力に“ほころび”が見え始めている――。『週刊ダイヤモンド』6月24日号「不動産投資の甘い罠」でそう指摘したところ、編集部に同社の現役社員、元社員から続々と切なる声が寄せられてきた。さながら駆け込み寺状態だ。彼らに共通する思いは「良い会社に生まれ変わってほしい」という一点だ。今回は、大東建託社員の悲痛な叫び、第2弾をお届けする。
2タコを打ったら
課長は係長に降格
「われわれのような下っ端の営業マンが騒いでいるだけではどうにもなりません。ぜひメディアの力をお借りして、営業現場の現状をどうにか変えたい」
大東建託のある地方支店に務める現役社員の鈴木一宗さん(仮名)は、開口一番そう訴えた。ダイヤモンド・オンラインの記事「大東建託現役社員が『経営陣の総入れ替えを』と悲痛な叫び」を読んで、「おおむね合っていますが、まだ足りない部分があります」と名乗り出てきた。鈴木さんは建築営業のキャリアとしては、中堅どころだそうだ。
「私の周りでは営業マンは入社3~4年目で中堅、5年以上になるとベテランと呼ばれるようになります。それくらい営業マンの入れ替わりが激しいのです」
7月27日、同社は2018年3月期の第一四半期決算を発表した。売上高は3771億円で前年同期比9.0%増となり、四半期純利益は265億円で同24.8%増を記録し、好調そのものだ。だがその一方、受注高は1382億円と同マイナス4.9%となっており、ほころびが見え始めている。とりわけ問題なのはその受注の中身で、リピート顧客の割合65.8%に対して新規のそれは34.2%。17年3月通期と比べてマイナス2.4%となり、新規顧客の獲得の下落に歯止めがかからないのだ。
そうした状況に対して、鈴木さんが伝えたかったことは大きく2つ。1つは契約と歩合給の問題、もう1つは飛び込み訪問一本槍の営業戦略の問題だ。今回は前者について見ていこう。