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ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

富裕層を狙う銀行の「不動産融資」が最も怖い理由

沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
【第22回】 2016年5月26日
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資産を膨らませて大丈夫?
マイナス金利でお金が流入する不動産

マイナス金利でだぶついたお金が不動産投資家を狙っている「お金を貸します」と銀行に営業され、不動産の購入を検討している人もいるだろうが、現状のリスクも知っておくことが必要だ

 「銀行は10億円貸してくれると言ってます」

 最近、よく聞く話である。マイナス金利になってから、経営者、医者、資産家に対する金融機関の営業が盛んである。この状況に舞い上がる人はこんなことを言う。

 「私は金融機関の信用が絶大なので、この時期に資産を膨らませておきたい」「低金利なので、投資しない方が機会損失に思える」。そう胸を張られても、こちらは「やれやれ、またか」と思うだけだ。

 金融緩和はマイナス金利に突入した。だぶついたお金は貸し出し先を求めて、担保が取れるものに流れる。その最たるものが不動産である。冒頭で紹介したケースにおける銀行の貸し出し条件は、不動産購入になっている。それも銀行間で競り合うと、購入額に対するローン比率が高くなる。

 たとえば、5億円の物件に4億円のローンを設定すると、ローン比率は8割になる。この条件で購入した物件の収支を考えてみよう。物件に賃料収入があっても、これはローンの返済にほぼ消える。返済により元本が減っていくが、それ以上に資産価値が下がると損をすることになる。儲かるケースは資産価値が下がらない、もしくは上がるケースに限られることになる。上がるケースはないわけではない。よいタイミングで購入した人で儲かった人もいる。しかし、今は不動産価格の天井に近いので、これからは厳しいと言わざるを得ない。

 それを証明しておこう。不動産への融資資金の流れとマンションの取引価格は、次のように連動する。青い線がマンションの取引価格(資産価格)で、赤い線が不動産へ資金が流れる量(負債額)を表す。これは貸借対照表で考えればわかりやすい。負債が増えた分、資産はインフレするのである(図表1参照)

(出典)日本銀行、日本不動産研究所よりスタイルアクト作成

 不動産の取引には、少なくとも購入額の8%が諸費用としてかかる(購入手数料3%+取得時税金2%+売却手数料3%)。このように多額の費用がかかると、賃料収入でこの取引コストを回収しないと利益が出にくい。ネット取引が浸透した株式とは違い、不動産は短期転売しにくい理由がここにある。

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沖有人(おき・ゆうじん) [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は17万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。


ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

不動産は個人資産の半分を占めるにもかかわらず、プロとの情報格差が大きい。この情報格差を少しでも解消できれば、個人はもっと多角的な視点から「よい物件」を選ぶことができ、将来を見据えた資産形成が可能となる。「自宅投資」「資産インフレ予測」「タワーマンション節税」などをメディアで提唱し、新たなムーブメントを起こしてきたスタイルアクト株式会社の沖有人代表取締役が、これまで蓄積した「不動産ビッグデータ」を基に、住宅の選び方に関する「新しい常識」を徹底指南する。スタイルアクトが自宅を投資になぞらえて情報提供している「住まいサーフィン」では、17万人の会員のうち、自宅査定ツールで7割が含み益を出していることから、資産形成した人数は12万人相当と想定される。株や投資信託のように学習することで、プロ顔負けの資産形成ができる手法はある。沖社長が次に提示する不動産の秘策は、これまで同様「早い者勝ち」となるかもしれない。

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