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 テレビを持たずインターネットでNHKの番組を視聴している人にも、受信料負担を求める時代が来るのか。

 NHKの上田良一会長の諮問機関である「受信料制度等検討委員会」は7月25日、NHKが常時、地上波とインターネットで番組を同時配信(ネット同時配信)した場合、テレビ受像機を持たずパソコン、スマートフォンのみの世帯にも、テレビと同様に受信料負担を求めることに「合理性がある」と答申した。視聴者の認証については、専用アプリのダウンロードやIDの取得を想定しつつ、具体策は今後検討するとしている。

 答申の内容は、2020年の東京五輪に合わせて、19年からネット同時配信開始を目指すと表明したNHKの方針を色濃く反映している。近年、若者を中心にテレビを持たない世帯が増えている。放送受信契約の基準を事実上、テレビ受像機の有無としているNHKにとっては死活問題だ。

 NHKはネット同時配信により「メディア環境等が変化する中で、引き続き『情報の社会的基盤』の役割を果たす」(諮問の文言)との大義名分を掲げるが、要は、将来の食い扶持を確保するという実に単純な動機に基づいている。

 ネット同時配信をめぐる議論は、今に始まった話ではない。NHKは11年にも会長諮問機関を設置して、同様の答申を出した。ある民放幹部は「検討内容や結論は当時から何も変わっていない。ただ報告書が薄っぺらになっただけ」と一笑に付す。

 NHKほど収入が潤沢でなく、ネット同時配信にコストをかけられない民放は、これまた当時と同様に反対を主張。議論は平行線をたどっている。