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日本を元気にする新・経営学教室

終身雇用制度の弱点は「環境対応力」にあり
「上から下」と「横のつながり」で対応力を強化せよ
慶應義塾大学ビジネススクール教授 高木晴夫

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],平野光俊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],髙木晴夫
【第27回】 2011年8月29日
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 これまで5回にわたって、日本的経営の特徴として、いまでも厳然と残っている「終身雇用制度」が、経営にどのような影響を及ぼしているかについて考えてきた。今回は、これまでの考察を踏まえて、まとめを行ってみよう。

終身雇用制度がもたらす
組織特性に対する意識が希薄

 簡単にいうと、終身雇用とは人を採用してから、定年までその人を雇用し続ける制度である。今回の連載では、終身雇用制度を採用しているがゆえに形作られるさまざまな特性を、リーダーシップ、能力開発、動機付けなどについて考察してきた。

 企業がある働き方をする一つの組織あるいは仕組みだとすれば、終身雇用のような企業の根幹を成す仕組みや価値観を持つと、ある特性、ある偏りを持った働きや動きをする装置になる。終身雇用を採用していない企業であれば、それは別の偏りを持った動きをする装置になる。例えば、同じ自動車でも、電気自動車とガソリン車では、外観や機能は似ているように見えても、その特性はいろいろな点で大きく違っている。これと同じようなことが、組織にも当てはまるだろう。

 ある特性を持った環境のなかで、企業が繁栄していこうとすると、それぞれの偏りが、長所になったり、短所になったりする。終身雇用を採用していない組織でも、当然、その長所・短所はあるわけで、どのような環境にも適応できる万能の自動車があるわけではない。だから、終身雇用制度を組み込んでいる組織には、どのような長所と短所があるのかについて、日本の経営責任者は、もっともっと自覚を持つ必要がある。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

平野光俊(ひらの みつとし) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1980年早稲田大学商学部卒業、94年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了、98年同大学院博士課程修了、博士(経営学)、2002年から同大学院助教授、2006年から現職。経営行動科学学会会長、日本労務学会常任理事、日本労働研究雑誌編集委員。主著に『日本型人事管理』中央経済社。


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好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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