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日本を元気にする新・経営学教室

グローバルリーダー育成への挑戦(3)
共生社会へ道拓くサステナビリティ経営
実現のための経営トップ、ツール、人材教育

――神戸大学大学院経営学研究科教授 國部克彦氏

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],高木晴夫 [慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],平野光俊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],根来龍之 [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長],松尾 睦 [北海道大学大学院教授]
【第48回】 2012年9月24日
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 グローバルリーダーの育成をテーマに、「創造」と「共生」の観点から、連載してきたが、今回は、「共生」の視点からサステナビリティ経営を牽引するリーダー育成の意義について、解説する。企業経営は成長を目指して行われるが、この成長も地球環境のサステナビリティを棄損しては持続可能とならない。しかし、環境を守るだけでは積極的な企業経営は実現できない。ここに戦略的な思考の転換が必要になる。

サステナビリティの
2つの意味

國部克彦(こくぶ かつひこ)/神戸大学大学院経営学研究科教授。1990年大阪市立大学大学院後期博士課程修了。博士(経営学)。大阪市立大学助教授を経て、1995年神戸大学経営学部助教授、2001年同教授(現在に至る)。北京理工大学珠海学院客員教授、ISO/TC207WG8議長。日本MFCAフォーラム会長。主著に『マテリアルフローコスト会計』(日本経済新聞出版社)、『環境経営イノベーションの理論と実践』(中央経済社)など多数。

 サステナビリティとは持続可能性を意味し、自然と経済の調和をとる方向性を示すコンセプトとして世界的に共有されている。この言葉には、別々の歴史を持つ2つの意味が、織り込まれている。

 その一つは、1987年の国連ブルットランド委員会の報告書に起源をもつサステナブル・ディベロップメントという概念である。これは「持続可能な発展」もしくは「持続可能な開発」とも訳されるもので、現在の自然環境を破壊しない範囲で(維持した範囲で)経済開発を行うというコンセプトである。このサステナブル・ディベロップメントは、1992年にリオデジャネイロで開催された国連地球サミットで採択され、全世界の共通の目標となった。

 もう一つの意味は、環境、社会、経済の3つの調和のとれた発展という意味である。これは、イギリスの環境経営のオピニオン・リーダーであったジョン・エルキントンが提唱したもので、現代の企業は環境・社会・経済の調和のとれた発展を目指すべきで、それによってサステナビリティが実現されると主張した。この3側面の調和のとれた利益は、トリプル・ボトムライン(3重の利益)と呼ばれる。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

高木晴夫(だかぎ・はるお) [慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)教授]

慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。1975年、同大学院工学研究科修士課程、ならびに1978年、博士課程を修了。1984年、ハーバード大学ビジネス・スクール博士課程卒業。同校より経営学博士号を授与される。1994年より現職。
主な著書に『組織マネジメント戦略』(有斐閣)、『実践!日本型ケースメソッド教育』『トヨタはどうやってレクサスを創ったのか』(いずれもダイヤモンド社)、訳書に『新版 組織行動のマネジメント』(ダイヤモンド社)ほかがある。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

平野光俊(ひらの みつとし) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1980年早稲田大学商学部卒業、94年神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了、98年同大学院博士課程修了、博士(経営学)、2002年から同大学院助教授、2006年から現職。経営行動科学学会会長、日本労務学会常任理事、日本労働研究雑誌編集委員。主著に『日本型人事管理』中央経済社。

根来 龍之(ねごろ たつゆき) [早稲田大学ビジネススクール教授、同ビジネススクール・ディレクター(統括責任者)、早稲田大学IT戦略研究所所長]

京都大学卒業、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了、鉄鋼会社、英ハル大学客員研究員、文教大学などを経て現職。京経営情報学会会長、国際CIO学会誌編集長、CRM協議会副理事などを歴任。2001年度より早稲田大学教授。2010年10月より早稲田大学ビジネススクール・ディレクター。ITと経営、ビジネスモデルなどを研究テーマとする。『代替品の戦略』(東洋経済新報社)、『デジタル時代の経営戦略』(共編著、メディアセレクト)、『CIOのための情報・経営戦略』(共編著、中央経済社)など著書多数。ブログ「ITと経営」

松尾 睦 [北海道大学大学院教授]

まつお・まこと 1988年小樽商科大学商学部卒業。2004年ランカスター大学経営大学院博士課程修了。Ph.D. (in Management Learning)。神戸大学大学院経営学研究科・教授を経て現職。


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好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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