ゴルフレッスンプロら1000人以上を巻き込んだ「ゴルフスタジアム(GS)信販問題」で、被害者の会のメンバーたちが東京地裁にGSの破産を申し立て、7月21日に破産手続き開始が決定した。恨みつらみだけで破産へ追い込んだのではない。自らの破産危機に陥るメンバーもいる中で申し立てを急いだのには、深い理由があった。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 野村聖子)

詐欺疑惑のゴルフ関連会社破産へ、被害者側が申し立てる深い理由GSが現在バーチャルオフィスを置く、東京都豊島区内のビル Photo by Seiko Nomura

 ゴルフ関連システムの販売やレッスンなどの事業を行っていたゴルフスタジアム(GS)が、7月21日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債額は約56億円。そのうち約36億円は、かねてよりトラブルとなっていた同社商品の購入契約者1153名に対する「未払い広告料」である。

 契約者とは、主にゴルフのレッスンプロや練習場のオーナー。GSはここ数年、「あなたのホームページを無料で作ります」と謳い、その引き換えとして高額な練習用ソフトを割賦で購入させてきた。

 ソフトの価格は数百万円と高額だ。最初に購入を打診された時点では、「もちろん相手にしなかった」とレッスンプロのA氏。GSが巧みだったのはここからだ。「ホームページに掲載する広告の営業は当社で行い、その『広告料』として、信販会社への毎月の支払額と同額を支払う」と持ちかけたのである

 要は、GSから入金される広告料で、信販会社への支払いを相殺できるため、契約者は“実質無料”でホームページの作成と管理運営をしてもらえるという誘い文句だ。コストのかからないホームページを通じてレッスン客を増やせたら――。甘い話に1000人以上がのっかってしまった。