管理戸数約57万戸、賃貸オーナー数約2万7000人を誇る、賃貸不動産大手のレオパレス21。2008年のリーマンショックで一時は経営難に陥ったが、その後は業績も回復し、再び存在感を強めている。そんな同社に怒りの声を上げるオーナーらが二つの裁判を起こした。いったい何が起こっているのか。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 大根田康介)

レオパレス21を訴えた賃貸オーナー129人が怒る理由LPオーナー会(愛知県名古屋市)から二つの裁判を起こされたレオパレス21 Photo by Kosuke Oneda

 3月14日、名古屋地方裁判所で行われたある裁判には30人近い傍聴人が列席し、法廷は緊張感に包まれていた。

 その裁判とは、昨年11月25日付で提起された、賃貸不動産大手のレオパレス21が展開する「家具・家電総合メンテナンスサービス」にまつわる集団訴訟だ。

 原告は物件のオーナー129人。中心となるのは、代表の前田和彦氏が愛知県名古屋市で2014年1月に設立した「LPオーナー会」。元はレオパレスの信奉者だったという前田氏は、「同社は契約を軽視している。家具・家電メンテナンスが適正ではなく、やらずぼったくりだ」と憤りを隠さない。

 なぜ、ここまで両者の関係がこじれたのか。経緯を説明しよう。

 同社のメーン事業はワンルームアパートの賃貸管理だ。富裕層や高齢者がオーナーとなり、相続税対策で建てるケースが多い。同社が建物を30年一括借り上げするサブリース契約を結ぶことで、オーナーは空室でも一定の家賃収入を保証される仕組みである。

 そんな同社の売りの一つが、ベッド、机などの家具や、テレビなどの家電が初めから備え付けられていることだ。テレビCMなどでも、学生や単身赴任者などの入居に便利だと盛んに訴求している。