東電の柏崎刈羽原子力発電所。櫻井雅浩・柏崎市長は、6、7号機再稼働承認の条件として、1~5号機の廃炉計画提出を東電側に突き付けた

 東京電力ホールディングスの先行きが、ますます見通せなくなっている。

 その主因は、東電柏崎刈羽原子力発電所が立地する新潟県柏崎市の櫻井雅浩市長。同市長はかねて柏崎刈羽原発6、7号機再稼働には1~5号機の廃炉が条件だと発言していたが、7月25日、正式にその意向を東電の小早川智明社長に伝えたのだ。

 この表明は、東電にとってとてつもなく大きなインパクトがある。昨年10月から経済界の重鎮を多数巻き込んで策定された東電の事業計画「新々総合特別事業計画」(新々総特)が、完全に画餅に帰すことになるからだ。

 東電は、新任の小早川社長と、日立製作所から招聘した川村隆会長とのツートップ体制が6月末に発足したばかり。新体制では新々総特の着実な遂行が求められており、中でも柏崎刈羽原発の再稼働は最重要ミッションである。

 東電が再稼働を急ぐ背景には、福島第1原発の廃炉や被災地への賠償、除染などの、総額21.5兆円にも上る福島関連コストがある。うち東電は15.9兆円を負担することになっており、経常利益ベースで年間約5000億円を稼ぐことが求められている。その最大のエンジンが柏崎刈羽原発で、計画では最短で2019年度に6、7号機、それに続いて1~5号機の再稼働も視野に入れている。