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「引きこもり」するオトナたち

“あがり症”“内気な人”が危ない!?
失敗をきっかけに「引きこもる」大人たち

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第5回】

 「体が動かなくなる」「家から出られなくなる」などの理由で会社を休職し、その後、退職してからも、再就職できないまま引きこもってしまう人たちが増えている。

 ある一部上場企業の50代前半の部長は、朝の重役会議で、1週間の営業報告をしようと大勢の前で話し始めたとたん、30秒くらいで動悸が激しくなり、緊張で声が上ずって、話がしどろもどろになった。結局、話がまとまらずに、自分でもいたたまれなくなって、途中で発言を辞めてしまう。大失態だった。

 元々、人前で注目されるのが怖くて、会議の席ではなるべく発言することを控えていた。しかし、ここまでひどく緊張したことはなかったという。

 その後、部長は役員に叱責され、ひどく落ち込んで、会社を退職していった。

 20代後半の会社員は、職場で「うつ」になって休職。上司から「完全に治ってから、出てこいよ」と言われたが、もうダメかなと思い、1年後に退職した。その後、何とかしなければいけないと思い、人材派遣会社に登録。紹介されると、面接に出かけるものの、退職原因などを追究されるうち、面接で緊張するようになって、不採用が続いた。

「引きこもり」の約7割に
認められる社会不安障害

 結婚式のとき、受付でサインすると、手が震える。きちんとした場で会食しようとすると、吐き気を催す。大勢の前で挨拶しようとすると、視線を意識し過ぎて、頭が真っ白になる。声がひきつる。のどや口が渇く。しばらく黙ってしまって、ますます視線が感じられるので、上がってしまう。大量の汗をかく…。

 引きこもりの原因の1つとして、最近、指摘されるようになったのは、そんな「社会不安障害」(SAD)の症状だ。

 「最近、3年間くらい勤めると、つらくて退職する人が増えてきました。引きこもり気味の人を調査すると、約7割に社会不安障害が認められるのです」

 こう指摘するのは、社会不安障害に詳しい、東洋英和女学院大学人間科学部教授で、横浜駅前にある「横浜クリニック」の山田和夫院長だ。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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