今や19億人をつなぐ世界最大SNSの座を獲得したフェイスブック

要約者レビュー

 2004年にハーバード大学生向けサービスとして誕生し、今や19億人をつなぐ世界最大のSNSの座を獲得したフェイスブック。2009年初頭には1億5000万人ほどだったユーザー数は、2015年終盤には15倍となり、時価総額は3000億ドルを超えるまでに成長した。そして、フェイスブックの創業者でCEOである、マーク・ザッカーバーグは世界を代表する事業家、慈善活動家となった。フェイスブックは、どのようにしてモバイルコンシューマーサービスの頂きをきわめたのか。

『フェイスブック 不屈の未来戦略』
マイク・ホフリンガー(著)、大熊希美(訳)、412ページ、TAC出版、1800円(税別)

 本書『フェイスブック 不屈の未来戦略』は、開発者の一人であり、フェイスブックの広告事業を率いてきた著者が、フェイスブックの成長の軌跡を克明に描き出したものである。いかに同社がIPOの失敗から再起したのか。広告事業の発展、競合の参入、人材獲得競争といった困難を乗り越えてきたのか。こうしたストーリーが、ライブ感たっぷりにつづられている。

「人々をオープンにつなげる」というミッションの達成に向けて、フェイスブックが下した決断や、そこから得た教訓、フェイスブックが見ている未来、今後注力しようとする分野をつまびらかにするという、大盤振る舞いの一冊だ。

 フェイスブックの戦略の変遷とその背景を知ることで、不確実性の高いインターネット業界で躍進するための秘訣や、テクノロジーの未来を見通すためのヒントが数多く得られるだろう。何よりも、自分自身のミッションを問い直さずにはいられない。心に火をつけてくれる渾身の挑戦記を、ぜひお読みいただきたい。(松尾 美里)

本書の要点

(1) フェイスブックは幾多の困難にぶつかりながらも、「世界をよりオープンにつなげる」というミッションを追求し続けている。
(2) ニュースフィードのローンチにおいては、プライバシーに関する懸念から波乱が起きたが、ザッカーバーグはニュースフィードを撤回しないと固く決意していた。「コンテンツを見るレンズ」をより面白いものにするための改善が続く。
(3) 「プロダクトの北極星」、「マジック・モーメント」、「コア・プロダクト・バリュー」という3つの指標をもとに、継続的なグロースをめざしている。