IPOを祝う「上場セレモニー」で鳴らされる鐘。しばしば問題視される子会社上場でも、快音を響かせてきた 写真提供:日本取引所グループ

「子会社の上場が増えている実感はありますね」──。IPO(新規株式公開)の実務に精通した、ある関係者は打ち明ける。実際、今秋から年度末にかけて、上場企業傘下の子会社3社が、IPOの準備を進めているという。

 今年度もすでに、複数の子会社がIPOを果たした。東京証券取引所によれば、「親子上場」している子会社数は減少傾向にあるとはいえ、いまだ300社超に上る。

「子会社上場」については、親会社からの独立性や、親会社と子会社の少数株主に対する利益相反などガバナンス(企業統治)上の問題が指摘され、その是非をめぐって議論が繰り広げられてきた。ところが、日本株が高値圏にあり資金調達環境も悪くない今、ひそかにブームの様相を呈しているのだ。

 ガバナンス強化がうたわれる昨今、親子上場に批判的な海外投資家などから厳しい視線を浴びかねないが、それでも子会社上場がじわりと増えているのはなぜか。

 冒頭の関係者によれば、子会社上場は、それぞれの関係主体にとってメリットが大きいという。