夜9時を過ぎたら必ずタクシーで帰るような生活は想像がつかない(写真はイメージです)

要約者レビュー

 本書を目にした読者は、『9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。』という突飛なタイトルにまず目を引かれることだろう。常識的に考えれば、9時を過ぎたからといって必ずタクシーで帰るような生活は、普通ならまず想像がつかない。しかし著者は、9時台の満員電車に乗るよりも、タクシーを利用するほうが翌朝の仕事の生産性を上げることができるのだから、タクシー代はそのための投資だと主張する。

『9時を過ぎたらタクシーで帰ろう。』
中山マコト、 216ページ、きずな出版、1400円(税別)

 このように、常識を疑い、慣例から抜け出すことが、自分の能力の発揮を妨げるボトルネックを取り除き、会社や組織に貢献することに繋がる。著者はこうした信念のもと、62個の事例をもとに超一流になるための「逆説」の思考法を本書で提示している。通勤電車での過ごし方、名刺の使い方、企画書の書き方など、普段の方法を反転させるような発想に、読み始めた当初は戸惑うかもしれない。だが、誰かが決めたルールに従って無難な道を歩くことを、あなたの心は望んでいるのだろうか。今自分が置かれている環境に甘んじることで、あなたは自由な人生を歩むことができるのだろうか。そう自問自答してみてほしい、と著者は呼びかける。

 社会の常識、会社のルール、上司の都合、クライアントのわがままなど、さまざまな呪縛にがんじがらめになって本領が発揮できないと感じている人にこそ、ぜひこの本を手にとってほしい。読み終えたころにはきっと、現状を打破する新しい考え方と行動が身についているはずだ。 (池田明季哉)

本書の要点

(1) 脳を目覚めさせ、新鮮な刺激を与え続けることによって思考が柔らかくなる。いままでの習慣を捨てて新たな習慣を組み立てることで、素晴らしい発想が生まれる。
(2) 相手の印象に残る名刺を配りたい。肩書きに一工夫を加え、自分独自の価値を相手に提示することが重要となる。
(3) 誰を味方につけるかを吟味すること。自分にとって「適量人脈」を見極め、嫌いな人を明示することで、自分と気の合う人だけが周囲に集まってくる。本当にほしい人脈は、知恵と勇気を振り絞って自らアナウンスすることでしか得られない。