2年目のゼミ生に
率直に聞いてみた
前回までの数回にわたり、資格取得やMBA取得の意味について考えてきました。中でもMBAは将来、企業や各種組織のリーダーになるための専門課程であり、目的が絞り込まれています。
一つだけ注意していただきたいのが、MBAコースというのは、必ずしも企業のどこかの機能における専門家を養成することを意図していないということです。多くの人がこの点を勘違いしているため、まず指摘しておきたいと思います。
もちろん、MBA“的”なコースとして、例えばMOT(Management of Technology)コース等は、CTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)育成を念頭に置いたものであり、特定ファンクションの専門家育成コースと言えるでしょう。しかし、MBAコースは本来、経営全般にわたる知識と感覚を涵養する、極めてホリスティックな色彩の強いものであることを最初に理解する必要があります。
もちろん、MBAコースの中で人事・組織を中心に研究し、人事・組織の専門家になるということが不可能なわけではありません。ただ、細かい知識や技能(例えば具体的な賃金テーブル[賃金体系]の書き方)を伝えることを意図したコースではありません。あくまでもここで育成する専門家は、『経営者目線を持ったプロフェッショナル』ということになります。
さて、このようなMBA本来の意義を理解していただいた上で、MBAとは何であるのか、MBAを取得するとどのようなことが期待されるのかを考えていきましょう。