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よもや「民主党最後の政権」になってしまうのか?
それでも“どじょう内閣”にエールが送られる理由

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第192回】 2011年9月13日
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今度失敗すれば国民は許してくれない
「民主党最後の政権」にならないために

 8月末、民主党の3代目となる首相に就任した野田佳彦氏は、自らを金魚になれない“どじょう”と称して地道な政策運営を約束した。実際の内閣や党内の人事を見ると、若手実力者を抜擢したり、党内融和を図るなど、堅実さを見せている。

 また、各省の事務次官を集めて協力を要請したり、福島の被災地に入るなど、矢継ぎ早に「やる気」を示してもいる。

 それに対して、国民の期待も予想以上に盛り上がっており、最近の世論調査では支持率は軒並み60%台という。鳩山、菅政権がかなり期待外れだったこともあり、今のところ、“どじょう”の印象が奏功して思いのほか好調な船出になっている。

 一方、今後の不安も多い。野田氏をバックアップする手勢は少なく、民主党内最大の勢力を誇る小沢氏をいかに抑えるかが、焦点になるはずだ。少なくとも、マニフェストの扱いについては真っ向から意見が対立しており、それをどのように調整するかは容易なことではないだろう。

 また、手勢が少ないぶん、官僚の実力に依存する割合が高くなる。特に、財務省の財政再建の要請と、景気回復、さらには経済成長戦略との折り合いをつける必要がある。

 世界経済に不透明要素が増えている現状、財政再建を焦り過ぎて、景気の腰を折るようなことがあると、1990年台後半の橋本政権の轍を踏むことにもなりかねない。野田氏自身が、“財務省の分身”と揶揄されるスタンスから脱却して、冷静な景気判断を行なうことが必要だ。

 それができず、景気を落ち込ませるようなことになると、国民は間違いなく民主党から離れていくだろう。そのときには、野田内閣が、民主党最後の政権になることも考えられる。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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