自宅から最寄り駅が遠い人に!
パーク&ライドとは

 平日の朝、バスを降りて駅に向かうあなたは、ロータリーに次々に走り込んでくる乗用車の助手席から降り立つスーツ姿の男性たちに羨望まじりの視線を投げかける。彼らと違って妻に送迎を頼めないあなたは、この駅までバスに乗ってくるか、より不便な駅まで歩きか自転車でアプローチするかしかないからだ。

家から駅が遠くて地獄――そんなビジネスマンは少なくない。名古屋市で勧められている「パーク&ライド」は、彼らを救う決定打になるだろうか?

 東京都心までの長距離通勤。ぐっと疲れが身に堪えるのが、駅から自宅までのこの部分だ。どこか、便利な駅までマイカーで乗りつけられるなら、雨も気にならず、ずいぶん通勤も楽になるだろうに…。

 首都圏は鉄道網が発達しているが、このように長距離通勤者も多く、駅までのアプローチに不便さを感じている人も少なくない。途中の駅前までクルマで行けるようにすることで通勤の利便性を高めようという試みは、全国各地で行われている。そこで今回、愛知県名古屋市が進めている「なごや都市圏パーク&ライド」の実施箇所を取材し、実情や課題を聞いた。

「なごや都市圏パーク&ライド」は、郊外の民間駐車場を名古屋市が対象箇所に指定することで、名古屋市都心部への自動車流入量を減らし、公共交通の利用を促進しようというもの。その登録駐車場のうち、最大級の規模をもつ「イオンモール大高」に着目し、現地を取材した。

 イオンモール大高は、JR東海道線・南大高駅から空中歩道で直結する大規模ショッピングモール。合計4000台収容(臨時駐車場を含む)の巨大な駐車場の一角をパーク&ライド専用スペースとして指定し、平日限定で名古屋都心部への通勤客に利用してもらっている。イオンモール公式サイトにも「パーク&ライドで行こう」という専用ページが設けられており、意気込みの高さがうかがえる。

 ちなみにイオンモールのある南大高地区は、名古屋市の東南端に位置し、隣接する大府市や豊明市とともに近年宅地開発が盛んな地域だ。鉄道はJR東海道線の他に、名鉄名古屋本線が北側にほぼ平行して走っているが、駅から遠くて電車通勤には不便な住宅地も確かに多い。