8月下旬、長野市で開催された「生活保護問題議員研修会」約300人の地方議員が集まりまった。彼らは、貧困と生活保護の現状について、どんな気づきを得たのか(※写真はイメージです)

貧困問題に高い関心を持つ
地方議員が集まった生活保護研修会

 2017年8月25日~26日、長野市に全国から約240名の地方議員たちが集まった。生活保護問題対策会議が開催した「生活保護問題議員研修会」(以下、生活保護議員研修会)に参加するためだ。

 日本の自治体の数は、大小合わせて約2000(都道府県・特別区・市・政令指定都市の「区」・町・村の合計)。おおむね8~9自治体のうち1自治体から1人の議員が、生活保護議員研修会に参加するため長野市を訪れたことになる。

  しかも、議員たちの所属政党は、自民党・公明党・民進党・社民党・共産党・無所属など様々だった(日本維新の会・都民ファーストの会からは参加なし)。議員たちに共通していたのは、貧困と格差を「わが地域の解決すべき問題」と考え、解決手段の1つとしての生活保護の重要性を軽視していないことだけだ。

 しかし、「8~9自治体のうち1自治体」では、まだまだ心もとない。この心もとなさを実感していただくために、都市部と地方について例を挙げよう。

秋めいた高い空の下、生活保護議員研修会が開催された信州大学長野キャンパス

 私が在住している東京都杉並区から区議が1人参加したとする。近隣の新宿区、中野区、世田谷区、練馬区、武蔵野市、三鷹市、さらに東京都から、区議、市議、都議が1人も参加しなかったとすると「8自治体から1人」となる。都市部の交通利便性を考えても、「杉並区から1人参加しているから充分」とは言えないだろう。

 地方では、たとえば本年7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県東峰村および朝倉市、大分県日田市を例にとれば、この2市1村に福岡県側で隣接する8市町村、大分県側で隣接する中津市、玖珠町、さらに熊本県側で隣接する2市3町を合計すると、大きな影響を受けた可能性が高いのは18市町村となる。福岡県、大分県、熊本県を加えれば21自治体だ。この21自治体から2~3人の議員が参加したとして、広大な面積にわたる18市町村の貧困と生活保護をカバーできるだろうか。

 ちなみに、全国の都道府県・市町村議員の総数は約3万3000人だ。「240人」は、地方議員の約140人に1人にあたる。多忙な公務の合間を縫って長野県に集まった約240人の地方議員は、全国的にはまだまだ貧困と生活保護に関する理解と関心が不十分な中で、暗闇に灯りをともすような存在ではないかと感じられる。

 あなたの地域の議員、あなたが前回の選挙で投票して当選させた都道府県議員・市区町村議員は、今回で9回目となった生活保護議員研修会に参加したことがあるだろうか。ぜひ次回の選挙の前に質問し、投票の参考にしていただきたい。