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「子ども100人を救う」の思いが始まり
独創のシステム開発でイベント界を席巻
シャノン社長 中村健一郎

週刊ダイヤモンド編集部
【第159回】 2011年9月23日
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シャノン社長 中村健一郎
Photo by Toshiaki Usami

 「これで、会場内を走り回らなくてすみますよ」──。

 大規模な展示会などのイベントでは、受付周辺にたくさんの営業担当者が待ち構えている。来場した顧客への挨拶や、会場を案内するためだ。しかし、営業担当者はたいてい複数の顧客を招待しており、1人の顧客を案内しているあいだに来場した別の顧客は、会場内を走り回って探さねばならない。

 NTTコミュニケーションズのイベントも同様だった。とりわけ約4000人が来場する最も重要なイベントでは、営業担当者は顧客を探すだけでひと苦労という状況だった。

 ところが昨年10月、中村健一郎率いるシャノンのイベント管理システムを導入したことで、この環境は一変した。

 そのシステムでは、来場者にバーコード付きの入館証を渡し、各ブースに設置したバーコードリーダーで来場者の動向をリアルタイムに捕捉する。その情報を携帯メールで営業担当者に通知することで、すぐに顧客の元に駆けつけることができるというものだ。

 もっとも、これはシャノンのシステムの利点の一つにすぎない。このシステムの特徴は、告知メールを送った履歴から、顧客がホームページでどのページをチェックしたか、実際のイベントではどのブースを訪れたのか、参加したプログラムは何か、など顧客の動向がすべてデータベース化されること。顧客が何に関心を持ったか一目瞭然となり、その後の商談の成功率が格段に向上するシステムなのだ。

 つまり、イベント管理システムというよりは、優れたマーケティングシステムなのである。

 加えて、これら一連のシステムはパッケージ化されているため、要望に応じて短期間でカスタマイズできるし、そのぶん価格も安い。

寝る間を惜しみ
イベント参加申し込みのシステムを構築

 中村が起業を決意したのは大学3年生の夏を過ぎた頃だった。この時期に中村は、将来について2、3ヵ月かけて悩み抜いた。その答えが、「生きていても仕方がない」だった。きまじめな中村は、これだけ悩んでもやりたいことが見つからないことに絶望したのだった。

 そんな折、中村の脳裏に親の顔がふと浮かんだ。「いなくなったら悲しむだろうな」。初めて親の愛情を感じた中村は吹っ切れた。そこで考えついたのが、「親の愛情を知らない子ども100人を救う」ことだった。そのためにはそうとうな額を稼がねばならない。失敗するリスクはあるが、起業するしか選択肢はないと考え、大学生の仲間を募り、起業に踏み切った。

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