市場は拡大したのになぜ凋落したのか。受験者からのニーズが広がらなかったのである。

 女子学生には共学志向が強まっている。共学校は女子学生の争奪戦を繰り広げ、彼女たちを大歓迎した。2000年代初頭まで女子大の得意分野であった語学系、国際系の学部も取りそろえた。やはり女子大の特色だった少人数体制についても、共学で整うようになった。

 そうした結果、女子大を受験する層がごっそりと共学へ流れてしまったのだ。

 女子の大学志願者数の推移を共学であるMARCH、「津田塾・東女・本女」「大妻・共立・昭和女子・白百合・聖心」の3グループで比較すると、一目瞭然だ。MARCHはこの25年でどんどん女子志願者数が増えている。対して女子大は横ばいである。

 ニーズが消えるというのは残酷なものだ。かつて女子からの人気が高かった短期大学は数多くが廃止されている。今夏にはついに、青山学院女子短期大学が19年度以降の学生募集を停止することを発表した。

「青短」の略称で知られる女子短大のトップブランド校であっても志願者数の減少が続いていた。女子の4年制大学への志向が強まったからだ。

ブランド女子大の
全盛期を知る親もいなくなる

 今の受験生の親世代はギリギリ、全盛期の女子大の記憶が残っているかもしれない。特に自分も女子大出身で女子大の教育の内容が優れていると認識していれば、わが子に進学してほしいと働き掛けることもあるだろう。そこから子供が興味を持って教育内容を知れば、魅力を感じるかもしれない。

 実際、女子大の中には就職実績が優れているところもある。津田塾は、女子差別撤廃条約批准や男女雇用機会均等法制定に卒業生が関わったり、女性官僚に津田塾出身者が多かったことから、「津田マフィア」と呼ばれていた時代もあるほど。

 今も大学教授は現役120人を輩出。仮に45~65歳で教授になったとすると、1学年(約600人)のうち約6人が大学教授になっている計算。企業の役員は24人で、53~65歳でなったとすると1学年のうち約2人が役員になっている計算だ。