人気に火がついた要因の筆頭は、やはり、寿司を含めた日本料理の普及だと考えられる。そもそも中国人は、生の魚を食べる習慣がない。従って、魚に対し日本人のように過度な鮮度を求めることはなく、実際、現在でも食している魚の大半は川魚だ。1990年代後半より、中国の経済成長に合わせ日本料理店は「高級料理の代名詞」として都市部を中心に増加。リーマンショック後の2009年ごろまで、「日本料理食べ飲み放題の店」が全盛期の時代が続いた。

 当時の「日本料理食べ飲み放題の店」には、高価な「ハーゲンダッツアイスクリーム」と、同じく高級日本料理の代名詞であった、「うなぎの蒲焼」「銀ダラ西京焼き」「サーモンの刺身」を、見ていて食べ切れるのかと心配するほどテーブル一杯に注文し、満足している中国人たちの姿があった。

 もっとも、近年の長引く景気低迷と物価の高騰は、中国人の財布の紐を固くさせ、外食産業を取り巻く環境も一転した。他店との差別化がうまくできなかった多くの「日本料理食べ飲み放題の店」の店が閉店に追い込まれ、サーモン消費の主戦場は、ハレ感をより強くした「高級ブッフェ」やワンクラス上の高級「回転寿司」へと移行している。

 激しい環境変化の中でも、サーモン人気は衰えずに加速していったのである。理由としては、(1)「うなぎ」「銀ダラ」の価格が高騰し、庶民の手が届かないレベルになってしまったこと、(2)ノルウェー政府の国をあげたサーモンの営業活動、の二つがその背景にあると考えられる。

サーモン人気の理由
突出したコスパの高さ

 中国でのサーモン人気の理由は三つあると筆者は考える。

 1)コストパフォーマンス

 2)味(脂がのった身)

 3)使い勝手の良さ

 だ。以下、具体的に分析してみよう。